中庭

ザ・ウォード/監禁病棟の中庭のレビュー・感想・評価

ザ・ウォード/監禁病棟(2010年製作の映画)
3.5
監禁病棟の遊戯室に集まる少女たちが、レコードに針を落として、言葉の一つもなしに仲良く踊るシークェンスの不穏な空虚さは並大抵の演出力で生み出せる類のものではない。劇中、唯一といってよいほど自然な笑顔を見せる少女たちの奔放な身体を丁寧に追い、視線はゆるやかに交錯し、遊戯室につながる廊下をカメラはゆっくりと前進移動する。この瞬間しかありえない、という正しきタイミングで院内は停電になり、少女たちの不幸な叫びがこだまする暗闇の中、サブリミナル的に死の使いが姿を現す。
中庭

中庭