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カルメン故郷に帰るのALABAMAのネタバレレビュー・内容・結末

カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

松竹大船作品。木下恵介監督。日本初のカラー劇場用映画として知られている。オープニングのクレジットの長さからこの映画に対する映画人たちの挑戦と意気込みが窺える。
舞台は浅間山の麓、北軽井沢にある村。この村出身の自称芸術家のストリッパー、リリィ・カルメンが友を連れて東京から帰郷するとあって、村中は大騒ぎ。東京では有名な人だという噂があちこちで流れるが、父はどうしても会う気になれない。実際、村の駅に降り立ったカルメンはハシタナイ、ド派手な衣装に身を包み、東京に被れていた。村の人たちに笑われ、おまけに丸十株式会社の社長に利用されストリップ興行に踏み出す始末。そんな姿に父は涙を流すが、そんな事とは知らずに明るい笑顔を振りまいてカルメンは東京へと戻って行く。
初の国産総天然色とあってか、映る画はWindowsのデスクトップのように広く、鮮やかな色彩をしている。そして少ないカット数で構成されている。
国産喜劇ではあるが、装いはウエスタナイズされており欧州の牧場かと思うくらいだ。戦後に急激に変わっていく日本社会、日本文化への哀愁と戸惑いが感じられ、装いこそ新しげではあるが非常に保守的な姿勢の作品であった。高峰秀子の脚が個人的に好み。
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