カルメン故郷に帰るの作品情報・感想・評価・動画配信

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「カルメン故郷に帰る」に投稿された感想・評価

Emiri

Emiriの感想・評価

3.8
北軽井沢の美しい風景と、古ぼけた校舎。底抜けに明るいカルメンと戦争の傷痕が残る田口。戦後の悲しさと希望と全てが詰まった美しい作品だった。カルメンが言う「馬鹿やろう」っていう声にはどこか滑稽さがあるのに、歌声には悲哀がある。そんなコントラストが面白い。
Chloe

Chloeの感想・評価

3.5
日本初のカラー映画ということで鑑賞してみた。
東京って所は人を変えちゃうんだな。
字幕がないと少し聞き取りづらかった。
本邦初・総天然色映画。

浅間山と青い空を背景にしたミュージカルのスタイルはサウンド・オブ・ミュージックに先んじている。コミカルな笠智衆。
自由すぎるカルメンだけど、東京へ出て行ったからには自由奔放キャラで帰らなきゃ、みたいなプライドもあったんだと思う。
東京でストリッパーしてる女性が帰郷してわちゃわちゃする話。50年代初頭の独特の雰囲気は苦手だがクセになる
紅茶

紅茶の感想・評価

3.7
テーマが明確化された木下恵介作品。この作品は、戦後における都市と地方の対比なのかと思いきや芸術とは何たるかをストリッパーのカルメンを通じて周りを巻き込んで示していく。そのテーマに対して何か絶対的な解は明かされないけども、カルメンの父は箴言めいた言葉を吐く。芸術というテーマに音楽や映画などではなく、ストリッパーを題材として持ってくるあたりに先鋭性を感じる。都会から帰省したストリッパー二人の衣服の鮮やかな色合いはカラー映画ならではの魅力。
カナ

カナの感想・評価

3.8
時代背景を踏まえて見れば皮肉たっぷりで面白いと思えた。
けど田舎に住んでいたからか、そもそも日本の田舎の風景に全く心が動かず、むしろ退屈して眠かった…
セリフの面白さはあんまり感じられなくて好きではない。
日本初のカラー作品、自然だらけかと思いきやストリッパー2人の鮮やかな服装が際立っていて、そういう狙いなのかな。
一貫して自分たちのやっていることは芸術だと言い切るおきん達はお馬鹿ではあるかもしれないけどまっすぐで眩しい。
日本初のカラー映画。浅間山の麓に映えるカルメンたちの衣装が鮮やか。音楽もいい。運動会は今でも生演奏にすればいいのに。
踊りの場面からラストへの構図が美しい。カルメンたちの足の隙間から見える観客の顔ったら。
昔の映像ってどうして時折合成みたいに見えるんだろー。
日本初の総天然色映画ということで浅間の青空がカラーでよく映えているが、今作を知ったキッカケは大学での映画の授業だった。その時先生が言っていたのは、カルメンと朱美というアメリカナイズされ肉体的にも解放された自由な女性性からの経済的援助 (ストリップショー) はアメリカによる占領下日本への援助をオーバーラップさせたアイロニー/パロディであり、村人たち (日本) は文句を言いながらもその恩恵を受けるという構図が見られる。確かにそういう構図が見え隠れしているように感じた。流石木下恵介といったところか。
作中の裸踊りと言ってもやってる事は今のグラビアみたいなものだから、半世紀で女性の在り方というのも変化したのだなと思った。
芸術を語るなんざぁ、偽モンのすることさ。結局芸術が分かってるのは「めくら」の音楽家とその奥さん、そしてカルメンの父な気がする。だからと言って、カルメンとその友達のチグハグな踊りと、村人たちのエロい視線が芸術ではないかというと、そういうわけでもない気がする。だって笑えるしカッコいいから。

この作品はカラーである意味がある。カルメンが故郷に錦を飾りに帰ってきたときの華やかさ、雄大な自然とモガ(かぶれ)な衣装のチグハグさ、カルメンの色気はカラーじゃなきゃ出せない。

あのラスト好き。そして、劇中曲も大好き。戦後まもない時代。何もない時代。だからこそどこか希望がある、明日は今日よりきっと良くなるとなんとなーく思える。

果たしてカルメンは故郷に錦を飾れるのか?
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