アタラクシアの猫

ルルドの泉でのアタラクシアの猫のレビュー・感想・評価

ルルドの泉で(2009年製作の映画)
3.9
なんで私だけ、こんな目に!から
→なんで?あの子だけ?のヒューマン・ドラマの秀作。
奇跡は宝くじの様なモノか?(後述)

ルルドの泉はフランスとスペインの国境近くの聖地で、カトリック最大の巡礼地。
聖母マリアが出現して泉が湧き奇跡を起こした場所。

介護者セシル率いる巡礼者団体。
全身麻痺のクリスティーヌと母。
疑念が強くケチつけまくる中年女。
立ちあがる事の出来ない車椅子の巡礼者逹。
告解を受ける神父は、ひたすら「魂の癒やし」を謳うが、巡礼者が期待するのは我が身に起こる奇跡。

若い介護者はツアーガイドのイケメンに夢中。
クリスティーヌは介護者に放って置かれてしまう。
そんな時、マリアの夢を見た彼女に奇跡が起きる!

ルルドには数万人の巡礼者が訪れて、その内「奇跡認定者」は68名。
医学的に説明のつかない回復をカトリック教会として「奇跡」に認定する。
実際アタラクシアが思うに「プラセボ効果」なんじゃないのかな、と思うけれど、信仰の力を否定はしない。

日本で似てる!と思う聖地は「西銀座チャンスセンター1番窓口」
1億円の奇跡を信じる巡礼者が列をなす。単なる宝くじ売り場じゃない。完全に信仰として!信じる心で1番窓口に並ぶ日本人は多い。

そしてクリスティーヌの様に奇跡を体現した人。1億円を当てた人を周りで見てた人間は、どう思うのか。
人間の根源的な本質は、人の幸福を素直に喜べずに羨(ウラヤ)み、妬み、謗り、恨めしく思う事。
それを乗り越える術も信仰によって得るモノだけど、なかなかそうも行かず、人間の弱さを赤裸々に描いていて面白かった。
2015-11-19