Toineの感想文

ZOOのToineの感想文のレビュー・感想・評価

ZOO(1985年製作の映画)
5.0
【これは世界一気合いの入ったラブレター】
原題「A Zed & Two Noughts」
「ひとつのZとふたつの無」と訳すべきか、
「ひとつのゼロとふたつのゼロ」と解釈すべきか…悩ましい。
(ZedやZにもゼロという意味がある故に)

グリーナウェイ監督がパペットアニメのクリエイター、双子のブラザーズ・クエイ(クエイ兄弟)のことを大好きすぎて、彼らに捧げた変態映画。

そして私の人生を変えた映画。
この世で1番好きな映画でもあります。

監督がどれだけクエイ兄弟の事を愛しているか痛いほど伝わってきます。
本当の兄弟俳優を起用して、クエイ兄弟にあんなことしたいな♪こんなことしたいな♪という監督の良からぬ妄想が炸裂しております。
…この作品を観たクエイ兄弟の感想を知りたい。

A~Zまでの腐敗とか、シマウマは黒地に白?白地に黒?だとか、キューブリック監督の何倍もシンメトリーに固執してるだとか、フェルメール好きがこうじてオランダで撮影しただとか、撮りかたが絵画の一点透視図法だとか、長録りだとか、独特の審美眼をお持ちの監督ですが、そんな彼のエピソードの中で1番好きなのが、クエイ兄弟マニアって所です。

上機嫌の監督が、上半身裸のクエイ兄弟とスリーショットで写った写真もwebで見れますので、興味のある方はぜひ探してみて下さい。

私もクエイ兄弟が好きで色々と調べていたら、この作品に出会いました。
今ではすっかり監督のファンです。
こんなに愛されて幸せ者の双子ですね。
いや、こんなラブレター貰いたくない!
あ、あとマイケル・ナイマンさんの曲は安定に素敵でした。
(作品の内容にはあまり触れてませんけど、ZOOの感想はこれでいい!)

《自分用の追記》
2024年3月~4月にかけて全国の映画館で念願のグリーナウェイ監督作品の特集上映企画が勃発いたしました♡♡
その名も『ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ 美を患った魔術師』
かっこよすぎて高鳴る胸の鼓動。
「英国式庭園殺人事件」「ZOO」「プロスペローの本」「数に溺れて」の4作品が時間割りや日替わりで鑑賞できるなんて…🥺
この情報を知った段階で心臓発作起こすかと思った。
神企画が過ぎる。
もちろん4作ともコンプリートでございます。