Uえい

ZOOのUえいのレビュー・感想・評価

ZOO(1985年製作の映画)
3.5
ZOOというネオンの前で二人の子供がダルメシアンを引っ張るシーンから始まり、その美しさに度肝を抜かれた。その後も超奇妙な話が炸裂し、ついていくのがやっとだったが、映像は美しい。

「英国式庭園殺人事件」では画家と夫人、その娘の三角関係が描かれていたが、本作も三角関係が軸になっている。動物園で研究する双子オズワルドとオリヴァー、そして彼らの妻が交通事故で亡くなり、その場にいた友人アルバの三人だ。アルバは事故で右足を失い、それを補うかの様に二人と愛し合うのだった。

双子が研究しているのが腐敗で、エビや魚、ワニや犬などが腐敗していく早回しの映像が挿入される。ウジが湧いている様子は気持ち悪く、しまいには人間で実験したいと望むのだった。

一方アルバは自分のアシンメトリーさに囚われ、とうとう左足を切断してしまう。そして、双子の研究の検体として自らを差し出すために死のうとするのだった。

二人は結合双生児として生まれ、二人に別れたことが明らかになるが、それまでひたすらシンメトリーな構図が描かれてきていて、それがこの打ち明けによってより病的な見え方になった。

双子はバランスが取れていたが、夫婦という点で妻を失いバランスが崩れていたのだろうか。そう考えると二人の死は避けられなかったのかもしれない。
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