ねこのみかた

ファミリー・ツリーのねこのみかたのネタバレレビュー・内容・結末

ファミリー・ツリー(2011年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

すごく面白かった。
こういう作品大好き。

テーマ的にはすごく重いんだけど、変に暗くなったりドロドロしたりお涙頂戴的になったりしてないのが好感持てる。

奥さんのエリザベス、事故で植物状態になった挙げ句けっきょく死んでしまって、一見一番気の毒なんだけど、でも実は一番罪深い人だと思った。
夫が仕事人間で家庭を顧みないからといって浮気に逃げていいわけはなく、勝手にボートレースに出て事故って死んで…そのせいで残された夫、子どもたち、親や浮気相手の家族までもがつらい思いをさせらてしまったわけだから。

エリザベスの父親、最初はなんてムカつくジジイだって思ったけど、ジジイにしてみれば最愛の娘の死を、誰かのせいにでもしないとやりきれないっていう気持ちもわかるような気がする。
その責任を自分に向けられる夫も迷惑な話だけど…。

浮気相手も、あいつはクソだからどうでもいいけど、その奥さんは本当に気の毒だと思う。
本来責めるべき相手のエリザベスに意識がないのであれば、責めるわけにもいかない。
怒りの感情を持って行くところがないんだもんなぁ。

とりあえず一番可哀想なのは、大人の事情なんて一切わからない末娘だった。
まだ小さいのに母親を亡くしたんだから…。

こんなつらい現実だからこそ、ラストの家族3人でテレビを観るシーンには救われた。
ジーンときた。

あとシドはいい味出してた。
初めは、なんだこのバカ男は?!って思ったけど、あの子は本当にいいクッション役を担ってたと思う。

ハワイが舞台っていうのもよかったのかな?
南国ののんびりした美しい風景が、必要以上に重苦しくならない要因のひとつだったかもしれない。