長い間見ずにいた作品。マツコさんが番組でふと呟いたのを思い出して、そういや観てなかったなと思い出して視聴。
‘K k k katie’のフレーズ有名な映画だけど、当時としては珍しいタイプの主人公。聡明で政治的関心も強く、頑固なところもある。逆に恋人はお調子もので中心的な存在。ただそれもある意味社会の中でのサバイバル術であって思ってもない事でも言ってしまうタイプというか。
決して交わらない2人が何故にこうも惹かれあってしまうのか本当不思議だけど、世の中ってそういうもんだなあとも思うし、そういう強い衝動から始まる恋の儚さみたいなのも妙にリアルで。
印象的なシーンで明朝の喧嘩のシーン。深夜の緊迫した2人だけの世界から他者の目覚めでどこか緊張の糸がふと解けて睡魔が襲ってくるシーンはこちらまで妙な気怠さと開放感を感じてしまうほどリアル。
彼女の曲げられない性格やきちんと主張する事ってある意味日本ではタブーではないけれど、できる融和的な方向の会話に持っていく事が多い分、理解が及ばない部分もあるが、今の社会ではある意味必要なスキルなのかなとも思う。
そして結末のもどかしさと苦しさ…彼女の選択は人によってはなんで?!と思うかもしれないし、彼女自身が一番愚かだったのかもしれないなんて思っているような気がする。でもその曲げられなさや曲がらなさこそ彼女自身なんだと思う。だからこそ帰着はどんな形であってもああなってしまうような気もする。それでも彼女が少しでも社会への融和性を持とうと試みた期間や、そういった愛に包まれた時間があったからこその一歩だったんだろうと思う。
悲しい結末に映るかもしれないけれど、私はあれが彼女の正解の選択だったんだろうと謎に確信してしまった。