やむちゃ

7月4日に生まれてのやむちゃのレビュー・感想・評価

7月4日に生まれて(1989年製作の映画)
3.6
備忘録
1990.2に鑑賞。

オリバー・ストーン監督のベトナム戦争を題材にした反戦作品。
主人公をトム・クルーズが演じる。
タイトルの7月4日というのは、アメリカ独立記念日であり主人公の誕生日。

レスリングに打ち込んでいた青年が主人公。
試合に破れ目標を失った際に海兵隊の勧誘を受け愛国心に駆られて入隊する。
ベトナムの前線で戦うが、敵の激しい攻撃を受け、パニック状態で民間人や仲間を誤射して殺害してしまい、自身も撃たれて負傷する。
脊髄にダメージを受け下半身が動かなくなった主人公は帰国するが、国内での戦争や帰還兵への激しいバッシング、扱いにショックを受ける。
自暴自棄になりながら、さまざまな人との出会い、誤射した仲間の家族への謝罪などを通じて、反戦への思いを高めていく…といったお話。

作品的に見応えがあり、ベトナム戦争という負の遺産を抱えてしまったアメリカの苦悩が感じられた。
序盤は勝ち気で自信家だった主人公が、戦場でパニックになり、負傷して帰国、自信をなくし落ちていく展開は重く、観ている側もどんよりした気分になる。
最後もヒーローになるわけではないが、ようやく居場所を見つけたような穏やかな表情を見せ、少しだけ救われた感じがした。
欲を言えば、愛国心が強い主人公が反戦運動に至るまでの心の動きを、もう少し掘り下げて描いてくれればとは思った。

それまでアイドル的存在だったトム・クルーズが、本作とレインマンで演技派俳優への転身を果たした。
今作では実際に車椅子生活を長く続け、足の筋肉を落として細くしたり、毛根を抜いて前頭部の毛量を減らしたりとビジュアルの変化にも拘っている。

リハビリをやりすぎて、動かない足を動かそうとして開放骨折するシーンは痛そうだった。
やむちゃ

やむちゃ