辛い話だろうなと思っていたけど辛さの質が違った。吐瀉物、汚物、物語が省略する所を敢えて見せてくる。子供の頃何度もTV放送されて見た覚えもあったんだけど、元は2時間半の映画だからかなりカットされたバージョンだったんだろうな。
ノンフィクションだし、監督もベトナム従軍経験者だし、トムも熱演だし、重厚で意義のある名作なことは間違いないので言いづらいけど、でもやっぱ長い気がするし、劇伴もベタすぎる。
しかし暫く引きずるくらいパワーのある映画だった。追いつめられると瞬きしないトムの見開いた瞳。車イス姿のトムを見る人々の目つき。私も同じ目つきでこの主人公のことを見てる。気まずい。ベトナムから帰還して晴れがましいパレードに参加するトムが、空気銃の軽い音にもビクビクと体を震わせる姿。気まずい。
何だったらラスト、新たな道を進み始める姿を見てもまだ気まずい。気まずく感じる自分の偏見が一番気まずい。