帽子、スーツ、ファッションを得る度にパットが自分を取り戻していくのが素敵。どんどん顔がクッキリしていく、ニュアンスで魅せるウド・キアの演技力もさすが。かつて町一番の名物男だったというのがよく分かる。最初の美容院の黒人女性たちやディーディーなどの塩梅もよかった。
パットの毒舌や愛嬌、ふてぶてしさ、迷惑と騒動を巻き起こすキャラクターはいかにもで最高なんだけど、ゲイの人達のそういうキャラ立ては生存戦略でもあるわけで、いつでもニコニコ気遣いできる女性ってやっぱいいよね!って言われるのと変わらないのかも。気安く憧れるのはデリカシーが足りない。
終わり方も心憎い。やっぱ靴までキラキラしてないとね。いいラストだよ。