荻昌弘の映画評論

宵待草恋日記の荻昌弘の映画評論のネタバレレビュー・内容・結末

宵待草恋日記(1950年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

 「そうですか映画」というジャンルがあるとしましたら、これなど過不足なくその代表作として登録されましよう。少しでも“良識”などという厄介なるものをお持ちの方は、竹久夢二が美しいモデル少女と宵待草(もっとも熱帯植物みたいに色気なく肥大しては居りますが)の咲く河原で恋を語るこの映画を御覧になるより、ただポカンと雑念に耽けられる方が銷暇法として遥かにお利口です。
 が、肺病病みみたいな眼玉をした少女の絵に春を想われる女学生方などには、恋をする時はよくよく相手のバックを調べなければならないという教訓を教えるだけでも有害ではありますまい。そこでどうしても差引き零なのデス。
『映画評論 7(4)』