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ひきしおのCinemanのレビュー・感想・評価

ひきしお(1972年製作の映画)
2.2
これは...ジョルジュがマストロヤンニでなければ、とても見ていられなかったかも...

この人の変人奇人、でも最後のところではどこか平凡な常識人、という挙措は貴重で、一連のポランスキー映画にも正統派にもハマる所以だったのだろうなあ..

複数の試みがぶつかり合って、消化されきらなかった痕跡が見られる。

俗にいう「砂の女」系列ではあるが、イタリアの陽気さか、“人間存在の云々〜”という極限に至るわけでもなく、寓話的な風景が続く。

戦争の影があちこちに差しており、まずイタリアもドイツも日本も敗戦国だったなあ、と。
そして、68年世代と思しきドヌーブの登場で、反戦とプリミティブ(原始)というテーマが背景にありそうなことがうっすら見えてくる。

最後は結局飛び立たなかった..というか飛び立てなかったというか...
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