これは...ジョルジュがマストロヤンニでなければ、とても見ていられなかったかも...
この人の変人奇人、でも最後のところではどこか平凡な常識人、という挙措は貴重で、一連のポランスキー映画にも正統派にもハマる所以だったのだろうなあ..
複数の試みがぶつかり合って、消化されきらなかった痕跡が見られる。
俗にいう「砂の女」系列ではあるが、イタリアの陽気さか、“人間存在の云々〜”という極限に至るわけでもなく、寓話的な風景が続く。
戦争の影があちこちに差しており、まずイタリアもドイツも日本も敗戦国だったなあ、と。
そして、68年世代と思しきドヌーブの登場で、反戦とプリミティブ(原始)というテーマが背景にありそうなことがうっすら見えてくる。
最後は結局飛び立たなかった..というか飛び立てなかったというか...