2004年公開の『東京原発』はタイトル通り、東京に原発を誘致しようというストーリーではある。
しかし、本当の狙いはその先にある。原発に無関心な都民の目を開かせるために、原発誘致を発表するというのだ。
知事を演じるのは名優・役所広司。当時の知事は石原慎太郎であった。傍若無人かつ緻密な知事のイメージは石原がモデルであろうか。
それにしても、2004年の当時、原発の安全神話とそれを信じるだけの国民に対してアンチテーゼを投げかける本作を撮ったのは監督の慧眼と言うべきか。
本作の撮影は2002年、公開まで２年かかったのは方々から圧力がかかったから。そしてようやく公開にこぎつけても上映する映画館はわずかであった。さらに、山川元監督は本作がきっかけで映画界を干されたとのこと。
監督：山川元（げん）
主演：役所広司
撮影：2002年
公開：2004年
