KentF

いまを生きるのKentFのレビュー・感想・評価

いまを生きる(1989年製作の映画)
4.8
ぼくらは誰でもすばらしい言葉を受けている。ただ気に留めず過ごすだけ。冒頭から登場するあの言葉に、きつねにつままれたような顔をする彼らのように。
彼らが恵まれていたのはその人が行動で示してくれたこと。そうなれば多感な若者は、“船長”を要せず飛び立っていく、ときに荒々しいほどに。
静かで荘厳な歴史ある全寮制エリート校の景色がまわる、まわる。
この高校でなくとも、大人たちは、秩序ある社会を築こうと、若さを枠にはめて評価しようとする。秩序も協調も成功ももちろん大事。しかし、一度机に登ってみないか。
自分が通った進学校も、“伝統”を重んじ、軍隊のように行進させられたこともあった。大嫌いだったその高校を卒業して大学生になったとき、最初のメールアドレスにあの言葉を入れた。
Seize the day.
胸に刻んで生きてきたつもりだったが、その人に再会してもう一度見つめ直す。また会いにきます、 “Captain Keating”。
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