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いまを生きるのchamのレビュー・感想・評価

いまを生きる(1989年製作の映画)
4.8
伝統と規律のある全寮制の進学校で、親からも将来を期待されエリートの道を歩む生徒たちの目の前に現れた自由で風変わりな一人の教師。
キーティング先生との出会いで、マニュアル通りの生き方を捨て自由を手に入れたかのように見えた彼らの青春時代もずっと続くわけではなく、残酷な現実も目の当たりに。
それでもラストのシーン、自分を表現するのが一番苦手そうだったイーサン・ホーク(まだあどけなくてかわいい)を先頭に彼らが自分の意志で立ち上がる姿にとてもぐっと来た。この先、どんな人生の選択をしたとしても、この映画に出てくるキーティング先生みたいな存在の恩師のことは一生忘れないだろうな。この数年でロビン・ウィリアムズも亡くなってしまい、自ら命を絶つ人の事をふと考えたりする昨今。周りにとってはつらく悲しいことだけど、それもまた死を選んだ本人にとっては生きる選択なのかもしれないと考えたりもする。この映画で見たロビン・ウィリアムズが生徒たちを離れたところから見守る優しい微笑みがずっと頭に残り続けそう。
この年になって勉強することの大事さを実感することが多くなってきたけど、物事をあらゆる視点で見て、感じて、自分の言葉で表現することの大事さも同時に実感する。
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