chamさんの映画レビュー・感想・評価

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浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

4.0


東北であの震災が起きてからこの十数年間、度重なるようにパンデミックや新たな震災が起き、人との繋がりやコミュニティの重要性を改めて実感します。

この作品の中で出てくる失われかける映画館の存在もその一
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.2

リバイバル上映で初めて見たけど、今まで社会に埋められていたものを掘り返していく感覚で観れた。
この世にはいろんな変わった人たちがいるはずなのに、現実ではまるで無いものように扱われていたり、社会に折り合
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白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

3.8

音楽に浸れる映画を期待していたら思っていたのと違ったけど、破天荒×ジャズの余韻が残る映画でした。
理不尽な狭い世界の争いに巻き込まれた1人のピアニストが、どうにかここから逃れ、外の世界に飛び立とうとし
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劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

4.0

どちらかといえばドラマを見てきた人のための映画ではあったけど、ドラマにはない映画の釈ならではのストーリー展開にほっこり。
私はドラマ放送時はあんまり興味が湧かなかったものの、つい最近疲れが溜まっていた
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ミナリ(2020年製作の映画)

4.4

表面的に人間を判断しがちだったり、簡単に分断してしまう今の世の中に、おだやかな時間をくれるような世界が広がっていた。
80年代、韓国から移住してきた家族が、アメリカの何もない土地で農作業を始めるって、
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

4.0

どんなにその道で成功してる人でも、ちゃんと現実を見て地道に生活してる人でも、人生を歩んでいれば色々な葛藤があると思うが…
プロのダンサーを夢見てなかなか才能が開花せず、お金もなく、20代も終わりに近づ
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.4

この社会の窮屈さはどこから来るんだろう。という疑問をひとつひとつ冷静に考えさせられる映画だった。
上流階級のお嬢様とも、地方出身で努力を重ね上京してきた女子大生とも、ましてや上流階級のトップにいる名家
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好きにならずにいられない(2015年製作の映画)

3.9

どこか臆病な気持ちを抱えたまま40過ぎてしまい傷付くことを避け自分の世界だけで生きてきたフーシ。空港で荷物運びの仕事をしているが、海外に飛び立つ人をたくさん見送ってきたものの、自分はまだ海外にすら行っ>>続きを読む

ひとつの太陽(2019年製作の映画)

4.4

幼い頃から手がかかり問題を起こすたびに家族を悩ませてきた弟。
優秀な兄と比較され、弟は常にもがき苦しんで生きてきた。そんな弟を中心にした一家の葛藤の物語かと思いきや、穏やかで問題を起こさない兄が音もた
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TOKYO!(2008年製作の映画)

4.3

ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノという凄いメンバーが東京を舞台に作り上げたオムニバス映画。どれも非現実的な世界観ながらもテーマがすごくリアル。

ミシェル・ゴンドリー作品は、寄生
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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.6

連日、何のためのオリンピックなんだろうと考えてしまう今の日本のこの状況。
新型コロナによるパンデミックが起こるもっと前、2017年に公開されたこの映画は、東京オリンピックに向け都市開発を進めていた頃の
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婚前特急(2011年製作の映画)

3.9

10年も前に観ていろいろ笑えた記憶があったので久々観たけど10年経っても面白かった。
5人のいろんなタイプの男性と同時に付き合って選り好みしていたはずが、むしろ男たちに都合よく扱われてる女性を吉高さん
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37セカンズ(2019年製作の映画)

4.5

主人公ユマを演じた佳山明さん。演技経験がなく役のユマちゃんと同じように障がいを持っている彼女がこの役に抜擢された。実力派の俳優さんの中にいながらにして、堂々と作品の中で生き、キラキラ輝く存在感だった。>>続きを読む

新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

3.9

先日家で観た新感染。あれから4年後を舞台に感染症が蔓延し、人が住む場所では無くなってしまった韓国を舞台に繰り広げられる物語。
前作もゾンビ対人というよりも、人間同士の巨悪な部分が見え隠れする内容でした
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

4.5

若い頃に結婚していた物書きの元夫から「君との別れから着想を得て書いた」と小説が送られてきた。そこから恐ろしい物語が展開していく。

過去と現在、そして空想の世界を行ったり来たりするなかで、非現実の世界
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先に愛した人(2018年製作の映画)

4.4

台湾のNetflix映画で、Netflixは台湾でもすごいなと思った一本。

癌で亡くなった男性が保険金の受取人に選んだのは妻でも息子でもなく同姓の恋人だった。そこから始まる妻と息子と愛人の3人の物語
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.2

普段ホラーやゾンビに追われる映画は小心者が故に観ないんですけど、ぐいぐいとスピードに乗って引き込まれるように朝から観てしまった。危うく遅刻するところだった。
生きるか死ぬかの瀬戸際で繰り広げられる他者
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.8

こういうシチュエーションで芸術を描いた映画はどこか既視感もあったけど、200年以上前に蓋をされた女性たちの思いが今新しく芽吹いたような、古典的でありながら新しい時代を感じさせてくれる作品だった。

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ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-(2020年製作の映画)

4.0

白人貧困層の中で生まれ育った主人公が代々続く負の連鎖を断ち切り自分の人生を歩もうとするも、夢を掴む一歩手前で避けては通れない自分の生い立ちの壁にぶち当たってしまう。

ジャンキーの毒親と化した母親役の
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.5

社会の正義が信用できない恐ろしい時代に、自分の中の良心や正義を果たして貫くことができるだろうか…。
映画自体はフィクションでありながらも、明らかに日本がかつてやっていたことがベースになっていて、社会が
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マグノリア(1999年製作の映画)

5.0

中学生の頃に映画館で観て、当時まだまだ中身も子どもだった私はトム・クルーズのお下品なキャラクターに衝撃を受けカエルに度肝を抜かれ、3時間近くあるこの映画を観た経験は特別で、それ以来人生で一番心に残って>>続きを読む

おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)

4.3

観終わって数時間経ちボワっといろんなシーンが蘇り、主人公の桃子さんといろんな人との些細なやり取りがジワジワとくる。
沖田監督の前作「モリのいる場所」では庭に宇宙を見出したように、この映画も宇宙や歴史と
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ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)

4.2

つい先日87歳で亡くなったアメリカ最高裁の現役判事ルース・ベイダー・ギンズバーグさん。
去年観たドキュメンタリー映画「RBG 最強の85才」では彼女の歩んできた半生や、病気を乗り越え80過ぎてもタフで
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.0

この作品を観て、死者の日のことを調べたら、偶然にも昨日と今日はメキシコでは死者の日とのこと
亡くなった祖先を大事にし家族を愛する一方で、家系や伝統を重んじ自分の意志で動けない家族の煩わしさも描かれてい
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.3

予告で既にしんどく、なかなか見れなかったこの作品。近くのシネコンでの上映が今日で最後で、やっぱり見ておこうと思い滑り込みで鑑賞。

男尊女卑の環境は時代とともに徐々に薄くなってきているかもしれないが、
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

5.0

家族のために一生懸命働いてる人たちがいつのまにか社会の罠にはまり社会に殺される実情。「わたしは、ダニエル・ブレイク」も身につまされる作品だったけど、この作品の主人公と同じような状況で働いてる人が自分の>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

5.0

今この時代に社会を見渡し、これからの自分の生活を考えていったときにふと思い返す映画。
ルールにのっとりうまく申請が行けば本来役立つはずの社会保障制度。しかし本当に困っている人が落とし穴にはまり、複雑な
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ウォーリー(2008年製作の映画)

4.7

汚染された地球に住めなくなり宇宙へ生活場所を移した未来の人々。人間が地球に残したゴミをせっせと片付け続ける孤独なロボット・ウォーリーと、人間がいつか地球に戻れるように汚染された地球から植物を見つけ出す>>続きを読む

家族の風景(2013年製作の映画)

4.3

何年か前に下北沢トリウッドで上映されているのを観て素晴らしかった佐近圭太郎監督の日芸卒業制作の作品が、あしたのSHOWというサイトで配信されていたので何年かぶりに観ました。

「家族の風景」というタイ
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アスファルト(2015年製作の映画)

3.9

日本にもあるような古びた団地のコンクリートの味わいが好きで、この映画に出てくるフランスのオンボロな団地にも愛着が湧く。
うちの近くにも昔からの団地があったけど老朽化により取り壊し中。古くても人が住んで
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もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)

3.9

観る前に監督のことぐらいしか情報を得ずにいたので、映画が始まり吹雪の中車を走らせる倦怠期っぽいカップルの登場に、この映画のカウフマン監督が脚本を手掛けたエターナルサンシャインのような倦怠期カップルの時>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

4.5

母と娘の普遍的な関係をじわじわと肌で感じながら最後はストレートに心打たれてしまった。
2人そろって同じことに感動し涙していたと思いきや次の瞬間には意見の食い違いで激しくぶつかり合う母と娘。お互いに譲ら
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半世界(2018年製作の映画)

3.7

他人の閉ざされた心の内を無理にこじ開けようとせず、他人にも自分とは違う別の世界があるんだと、それを分かち合うような監督の優しさがにじみ出てる映画だった。
吾郎ちゃんがどう見ても外の世界を知らない田舎の
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人生タクシー(2015年製作の映画)

4.5

反体制的な作品を作ったとしてイランで映画制作も出国も禁じられているジャファル・パナヒ監督がタクシー運転手に扮し、車載カメラで写し込んだドキュメンタリー風ドラマだそうで。
ドキュメンタリーではないんだけ
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ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

4.5

絶望の二文字が心のどこかに潜み、苦しいことが続く2020年。
時間を過ごすのがつらくなったらこの映画観ようと思える映画。

とんでもない事件に巻き込まれながらも、受け流すように淡々と時間を過ごしていく
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

4.3

将来の成功のために勉強に力を注いできた学級委員長とフェミニストの女子2人が、ただのパリピだと思っていた同級生たちも自分たちと同等に勉強で結果を残していた事実に気付いてしまい卒業式前夜にしてパーティとい>>続きを読む

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