半兵衛

渚の果てにこの愛をの半兵衛のレビュー・感想・評価

渚の果てにこの愛を(1969年製作の映画)
3.5
ストーリーは見知らぬ母娘が暮らす家にやってきた男が何故か息子と間違われてそこで生活することになるというサスペンスとしては大したことは無いものの、ミムジー・ファーマーによる健康的でボーイッシュなのに奔放で肉感的な魅力を放つファム・ファタールぶりが素晴らしいのでそれなりに見ごたえがあった。一見キュートだけれど何かを内に秘めているような本性を読めない表情もgood。

そして彼女の母親を演じるのがリタ・ヘイワースというのも象徴的、かつての面影のない顔立ちやスタイルといい映画で数多く登場した主人公たち男を魅了してきたファム・ファタールたちのなれの果てに思えた。でも劇中では男たちを引き付け、そして本作の主人公を翻弄してしまうきっかけを作るという魔性はしっかりと残っているというのが業の深さを感じさせる。

冒頭をはじめとするどしゃ降りのような雨の使い方も印象に残る。
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