anguish

手紙のanguishのレビュー・感想・評価

手紙(2006年製作の映画)
3.4
「差別のない場所を探すんじゃない、君はここで生きていくんだ」

☆中盤まではイライラしていました、背景を説明して話を書いてみないか?と言われたら大体似たり寄ったりにこの話になるんじゃないかな、平成に書かれた脚本でありながらまるで昭和のようなテイストで、元々「愛という名のもとに」というドラマも辛くて見れない人でしたので年を取った私は更にマゾ仕様な話は受け付けられません、事件当時ならいざ知らず世の中ここまで酷くないと思います。この映画も一度内容を知らなくてオープニングのシーンで「お涙頂戴系」の話だと踏んで挫折しました。

朝美と由実子との不自然な流れとか主人公が人を避けて生きているのに「お笑い芸人」を目指している矛盾とかモヤモヤする展開が目立つけど、ラストに差し掛かる所「遺族に会いに行く」場面でなんでこのタイミング?と理解する事は出来ないけれど、この映画の趣旨は自分なりに「ああ、罪を償うとは社会的な形式であって永遠に許される事はなく、この映画は抑止が目的だったのかな」と思い至りました。

自分が遺族だったらと思えばこんな気持ちになってはいけないのかなと思いつつも手を合わせて祈る兄の姿に涙を抑えること出来ませんでした。

ただ最後の挿入歌に「言葉にできない」はミスマッチ受け入れられません。

20170304-22(016)
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