ブライアン・デ・パルマのことを〝ヒッチコックになれなかった男〟と評していた人がいたが、さすがにそれは気の毒な気がする。
彼には「スカーフェイス」や「アンタッチャブル」という傑作もあるし、「キャリー」や「殺しのドレス」それから「ミッション:インポッシブル」もなかなか良かった😊
だが、この映画の様な作品を見ると、先の言われぶりも完全には否定し難くなってしまう。「サイコ」への溢れるオマージュは伝わるのだが…😅
ヒッチコック映画と比べると俗っぽいし、得意の撮影テクニックもエピソードも詰め込み過ぎだ。サービス精神が裏目に出て、ストーリー展開にスマートさが欠ける。
だが多重人格者を演じるジョン・リスゴーの怪演ぶりはなかなかのもので、悪役を演じることも多い彼の出演作の中でも、そのイカれぶりは、群を抜いている。
スター俳優は出ておらず、デ・パルマ作品の中でも比較的地味な映画だが、こてこてのサスペンスを味わいたい時にはちょうどいいかもしれない。
もちろん、あの〝必殺回転撮り〟もしっかり見られる😅