たけまる

パーフェクト・センスのたけまるのレビュー・感想・評価

パーフェクト・センス(2011年製作の映画)
3.7
何よりも怖いのは当たり前を失うこと。
負の方向に絶頂を迎えた感覚から消えていく姿があまりに悲痛で辛かった。サイレントになる瞬間はあまりに絶望的。そこから繋がるラストは悲しく、美しかった。
思い出、食欲、叫び、自分だったものが消えていっても、「今まで通り」にすがって足掻くことしかできない世界はあまりにもリアル。
何が失われても意地汚く縋れるものが自分にあるか考えてしまった。きっと自分もスピーカーにしがみ付いて好きな音楽を聴こうとするんだろう