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未来への伝言
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『未来への伝言』に投稿された感想・評価

「時は1950年代末、母親たちが政府を動かし、ポリオの生ワクチンを善意のソ連から超法規的に緊急輸入。日本国内でも、ソ連内でも、さまざまな軋轢や妨害や障壁がある中で、必死に動いた人たちがこんなにいた!」んだそうです。
反ロシアの不当プロパガンダは世に溢れてるけど、こういう逆向きのは新鮮ね。教科書にきちんと記すべきであるような史実を基にしてるんだから、べつにこれ親ソビエトのプロパガンダ映画でもない。普通に準ドキュメンタリーだよう。

というわけなんだけども、癖がある。前半は眠くて眠くて、、、洗練されなさすぎ。日ソむりやり接着の感。ハズレ作?
その中で、栗原小巻さんと子役が乗り込んでいったモスクワの子供たちいっぱいのクリスマス部屋は映えてたし、「ケンちゃん、吐き出すの? 吐き出すの? 呑んじゃう?」のところは前半唯一ノレた。
しかしながら、棒読み二流俳優(素人?)や大時代的男優や毛色も勝手も違うソ連俳優たちに囲まれて日本側代表主演の小巻さんは、タッチ決めづらかったんだろうな。実際、彼女はさほど良い演技をしてない(たぶん最後まで)。

にしても、本作内のソ連人役たちは最近のロシア人とそんなに変わらない佇まいなのに、ここにみる日本側の垢抜けなさが凄い。1989年作にしては各キャラも演技もファッションセンスも喋り方も台詞そのものもド昭和中期。古臭すぎる。いや、これは私の言いがかりか。
案件当時の1960年を正確に再現しようとしたからこそ? ならば、小巻さんのヘンテコなパーマ髪も、自然美のないアイラインも、みんながみんなのワンピースも、可愛くないかもなケンちゃんも、これで正しい。主婦仲間のうち、二人ほど綺麗な人がいたね。

さて、意外にも、「生ワクチンを輸入できるのかできないのか」の葛藤段階よりも「めでたく輸入決定」以後の方が面白さアップ。ソ連内の場面は基本的にソ連人が脚本も撮影も演技もしたんだけど、そのモスクワでの緊迫のやりとりに私は眠気消えてクギヅケとなった。(ケンちゃんの立てる玩具カーの不穏な音量にも、ドキドキ。)
SAS機で出発する/しない、のところではとうとう泣いたよ。ハリウッド調かものヒーロー映画っぽいわかりやすいエモさってこともあったかな。画面にかぶさりまくった無数のハレーションも絶大効果だった。そして、一難去ってまた一難、さすがに気象の件はフィクションだろうけど、でも事故ともなると夢交ぜだったし許される。
残念だったのは、せっかくソ連側が「何でそこまで頑張ってくれるの?」な奮闘を見せてくれたのを受け、羽田空港側のお迎えの小巻さんらがさらに何倍もの涙量を誘う極上演技を見せてほしかったのに、何かちょっと、エネルギー足らず? モスクワと機内に泣いた私が羽田で涙引っ込めた。

ともかくも、ご厄介になった側の日本は昭和後期に多くあったと思われるアクションドラマ風味を担当してたみたい。ヒーローのソ連との対比も接着も、ひっくるめて歴史を私たちはもっともっと学ぼう。
such
3.5
このような歴史があっての今だね、、
当時の映像は怖いけど貴重だね。

日本語音声に被せる形でロシア語吹替が入るので、
そこだけわかりづらかったです。
物語としては所々事実と違ったり年代がずらされたりしているところもあるようで

ソ連から日本へワクチンが送られたという事実は当然あるようだが、調べてみると実際のところは結構裏があるようだ
そもそもソ連の開発したワクチンの基となったのは実はロシア系移民のアメリカ人アルバートサビン博士が開発したもので、アメリカでは当時既に60%しか効果がないという方のワクチンが流通していたためにアメリカでは開発資金が集まらず映画のグーセフ博士のモデルとなったソ連のミハイルチュマコフ博士に協力を求めソ連製のワクチンができあがったらしい
日本への提供もアメリカよりも技術的に優れていることを示すある種のプロパガンダという側面があった可能性も高いようだ
もちろんソ連製のワクチンのお陰で日本でのポリオの流行は収束したわけだが、ソ連側からすればあくまでビジネスはビジネスであったわけで

そしてモデルとなったミハイルチュマコフ博士は実際は一度も日本には来ていないし、逆にワクチンを求めて日本の主婦がソ連を訪れたということも当時なので当然なかったがカンパを集めた民間の医師がソ連に直談判するために渡ったという話はあるようだしソ連製のワクチンの使用が認められたことに日本の母親たちの活動の影響があったことは事実ではある
恐らく物語としては栗原小巻を活躍させるためにここら辺は改編したのだろう、一応二人が出会わないとストーリーとして始まっていかないわけだし、結局最後の方その辺の二人のストーリーは史実とは異なるので結構有耶無耶になっている
映画の最後で見方によっては博士は亡くなってしまったようにも見えるがモデルのチュマコフ博士は1993年まで生きていてもしかしたらこの映画を観た可能性もあったかもしれない、恐らく名前が変えられているのはこうしたことが原因と思われる

そしてミハイルチュマコフ博士はダニ脳炎のワクチンも開発したというのは事実だがそれは1930年代後半の話らしい
ポリオワクチンの際に自身や、映画では恋人だったが妻や自身の子供も実験台にしていたが、ダニ脳炎の場合は開発以前に実際に脳炎にかかってしまいここで聴覚障害と右腕麻痺の後遺症に苦しめられたそうだ
ここもラストのドラマを盛り上げるために時系列が入れ換えられている


この映画自体ある種ソ連の最後期のあまり悪意はないプロパガンダ映画といえる面もあるかもしれない、途中から話がめちゃくちゃなのはそういう原因もあるかもしれないが映画全体としてはなかなか楽しめるものにはなっていたと思う

最後飛行機の中で脳炎が見せた悪夢とのクロスカットみたいなところは結構よかったし、その直前の飛行場のシーンもカメラの前に透明のガラスか何か置いてそこにずっと水を垂らしていたように思うが嵐をそういう風に表現しているのは他に見たことない気がする(もしかしたらその方が雨降らせるよりも経費が浮くとか)

あとは和室のシーンの照明の違和感とか、桜のシーンの花びらとかソ連の監督の目を通したオリエンタライズドされた日本には違和感はあるがそれはそれでソ連の映画として考えれば悪くはない


昔からソ連映画でロシア語でナレーションが被るとこって、なんとなく内容適当そうだなと思っていたが日本語にナレーションが被っていたことでやはり結構適当だったんだなということがわかった
厚生大臣の日本語のセリフに自分の選挙区に影響がみたいな発言はなかったが、ロシア語のナレーションに対しては字幕でそういうことが付け足されていた


あと栗原小巻がソ連に着いた際のパーティーのシーンで普通に当時のアメリカンポップスが流れていたが、これは実際に当時のソ連でレコードかなにかでアメリカンポップスを聞くことが1950年代末にはできたということなのか?それとも映画製作時のペレストロイカにおける嘘なんだろうか?
60年代以降のピンクフロイドとか反体制と捉えかねないロックが肋骨レコード(密輸されたレコードを元にレントゲン写真に溝を掘ったレコード、ロシア文化フェスティバルで上映されていたカレンシャフナザーロフの何かの映画で知ったような気がするが)として流通していたということは聞いたことがあるが
(その後表参道かどこかでこの肋骨レコード、ボーンレコードが展示されていたことがあって訪れたときの記録が出てきたが、それによると1940年代には既に肋骨レコードは存在したのでパーティーで流れていたのは肋骨レコードということなんだろう、博士が日本から帰ってきたあとに屋外で流れていた音楽はソ連のものだったので設定としても人に聞いていることがバレるとやばいアメリカの音楽の肋骨レコードは屋内の限られた所でかかっているという設定としてはよくできているのかもしれない)