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レナードの朝のKeyのレビュー・感想・評価

レナードの朝(1990年製作の映画)
4.0
”諦めない心が奇跡を産む”

寒空の中、元気に遊ぶ3人の少年達。
その中の1人がベンチに”レナード”の文字を刻む。
しかしその手は小刻みに震えていた。。

それから30年後。
臨床医を募集している病院にやってきた
研究医のセイヤー。
患者に直接触れることが無かったセイヤーは
違いに戸惑い、落ち込む日々。
家に帰り植物と触れ合うときが、唯一心休まる時間だった。

精神科での仕事も慣れてきたある日、反応の無い
患者たちに反応がある瞬間があることに気づく…。

新しいことに挑戦することは、すごく大変で
難しくもあり、そして出る杭は打たれる。
それでも諦めずに信念を貫いたセイヤーや
先人達には本当に頭が下がります。

そんな諦めなかった、彼、彼女らがいたからこそ今の世の中があるんだなと、つくづく思いました。

反応が無くても息子に話しかけるお母さんに
セイヤーは「息子さんと話を?」と聞きます。
「言葉は話さないわ」と答えるお母さん
「言葉を使わずにどうやって話を?」と聞く
セイヤーに「子供を持てば分かるわ」と答え
微笑むお母さんの言葉に、そうだよ。
返事が無くても会話は出来るよね。
だって息子なんだもんと…泣

レナードの「眼をつぶるのが怖い」という言葉に
そうだよね。怖くて寝れないよね。。と胸が苦しくなり、悲しくなり。
”アルジャーノンに花束を”を見た時の気持ちを思い出しました。

研究結果を出す為にでは無く
患者達、そしてこれからの医学の為に損得を考えないセイヤーは本当に素晴らしい人。
そしてセイヤーを演じた今は亡き
ロビン・ウィリアムズの優しい微笑みは
観るものを暖かくしてくれる、本当に先生役が
ピッタリの人ですね。
まだまだロビン・ウィリアムズの先生が観たかったです…。

ロバート・デニーロも良かった!
目が虚ろな表情から、お母さんと会った時の笑顔にはこっちまで笑顔になり、段々としっかりして、大人になっていく顔つきには子供の成長を
見る親の気持ちに。
短い時間の中での変化を上手に表現する演技は
流石だなぁ とロバート・デニーロが益々好きになりました!

そして実話だということに、嬉しくもあり同時に悲しくもなり、、自分がレナードならどう思う?
それでも?とすごく考えました。

邦題とジャケットとで、敬遠していた作品。
”レナードの朝”も色彩を抑えたジャケットも、この映画にピッタリです!
フィルマークスやってて良かった〜♪
素敵な作品に出会えたことに感謝です!!
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