MrCinematic

レナードの朝のMrCinematicのレビュー・感想・評価

レナードの朝(1990年製作の映画)
4.2
鑑賞記録

1969年、人付き合いが苦手な“マルコム・レイヤー”医師が慢性神経病専門の病院に就く。研究が専門だった彼は臨床の経験はなく、接し方で苦労するが、誠実に取り組んでいた。ある日、患者に反射神経が残ってることに気づき、ボールや音楽を使って回復を試みる。更なる症状改善のために患者の1人である“レナード”に非公式の新薬を投与すると30年ぶりに目を覚まして...というお話。


実在する精神科医のオリバー・サックス氏の実話を元にフィクションを入れて再構成した小説を映画化した作品。


突然訪れる病気の恐ろしさとそれでも“生きる“ために抗い闘い続ける人間の強さを感じられた作品でした。
明日が普通にあると思い何不自由なく暮らせる『当たり前の日常』自体が奇跡なんだと思い、目を閉じるとこのまま覚めない恐怖で明日を迎えるのが怖いと思ったレナードの心境は今の自分の同情心で寄り添ってもすくいきれない”生の重み“が伝わってきました。

彼らも身体は動かずともちゃんと生きてるし、「好きな匂いや音楽をちゃんと肌で感じることができるんだ」と、「誰かとたわいも無い話したいんだ」と、「今この瞬間を生きているんだ」と、諦めない彼らを前に簡単に命を投げ出すことも出来る普通の自分たちが諦めるという選択肢は不自然でしょう。

同じ明日を迎えることが怖い誰かを『大丈夫。その時そばに居なくても、それでもあなたの生きる明日が好き』と言ってあげられるような人間になりたいと思いました。

ロバート・デ・ニーロさんをはじめとした患者さんを演じた役者の皆さんによる存在意義のある演技に脱帽し、ロビン・ウィリアムズさんの優しさと慈愛に溢れた笑顔が堪らなく愛おしく思えました。