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ロスト・イン・トランスレーションのPのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

邦画みたいな洋画だった。舞台が日本だったからっていうのもあると思うけど、それ以上になんか、映像のざらっとした感じとか、にゅる~っと進むストーリーとか…。

全盛期を過ぎた(と言ってもパークハイアット新宿に部屋を取ってもらえる好待遇っぷり、未だにスターである)中年(初老?)の俳優は、CMの撮影のために東京を訪れる。自分がやるべき仕事(映画)と今の仕事(知名度を活かしたCM撮影やバラエティ番組への出演)のギャップ、25年間の夫婦生活の中で妻の中から薄れていく自分の存在に、焦燥感を感じている。妻の中で自分は子供たちの父親であり、家計を支える主夫でしかない。
一方、結婚して2年の若妻は、名門大学卒ながら自分の進むべき道を見付けられていない。カメラマンの夫の出張に付き添って東京に来るが、夫は仕事が忙しく、一人ホテルで寂しさを募らせる。
その2人がホテルのバーで出会い、一緒に行動するようになる。と言って、何か特別な事件が起きたりするわけではない。二人でご飯食べたり、川の字になって寝てみたりする。親子の一歩手前くらいの年の差の2人は、結局、男女の仲にはならない。旅先でのアバンチュール一歩手前くらいでそれぞれの人生に帰っていく。
ということで、各々が出会いをきっかけに決定的な何かを得た、とかそういうこともなく、にゅる~~っとしてるんだけど、なんとなくほんのりと面白い映画だった。

別れ際に俳優は女を抱きしめながら、耳元でなにか囁く。なんて言ったんだろ?その辺の「視聴者にお任せ!」みたいなとこも邦画的というか。

2003年製作の映画で、当時自分は中学2年生くらいだったと思うが、2003年ってそんな時代だったのかー、という発見があった。劇中ではFAXが連絡手段として多用されていたが、我が家にはFAXがなかったので、モーニング娘。が全盛の時代にまだそんなにFAXが使われてたなんて知らなかった。一方、ゲーセンで学生たちが太鼓でドンとかポップンとかで遊ぶシーンがあったが、僕は新宿なんか行ったことない田舎の中高生で、ポップンを初めて見たのは大学に入学した2008年だったから、その5年も前からポップンあったんだなあ、と思った。
藤井隆がハイテンションでちょっとおネエな雰囲気醸し出しながらバラエティの司会やってて、そういえば藤井隆昔こんなだったな…と思ったり、ダイヤモンドユカイ演じるCM監督の意味不明な演技指導とか、あーこんな感じのディレクターいるいるって感じで面白かった。
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