アラシサン弐

切腹のアラシサン弐のレビュー・感想・評価

切腹(1962年製作の映画)
4.7
凝り固まった価値観は美学ではなくて虚栄なんだな、と感じさせられる。
武士たるものとか武士らしくとか、思想と価値観に依存して、他者に上っ面を飾ってしまう人間の残酷さが痛烈。

現代にも、偏見に囚われて虚栄をつくってしまう人たちがウジャウジャいて、それは武士でなくたって、職業でも性別でも「〜たるもの」とか「〜らしく」だとかレッテル貼りして、物事を推し進めてしまう。それが知らない内に、誰かに刀を向けることになってるかもしれないと心に留めておかなければいけないと思う。

仲代達矢の狂気が滲んでくるような声に痺れた。
アラシサン弐

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