タクマ

切腹のタクマのレビュー・感想・評価

切腹(1962年製作の映画)
4.3
見たで。
諸代大名井伊家の元に1人の浪人が「切腹する場所として名家である当家の玄関先をかしてくれ」と願い出る。やがてその男の語る身の上話が周囲を戦慄させるが…
前から見たかった邦画作品をやっとみれた。超絶大傑作です!武士として美しい死に様であれと言われる切腹と言う物を題材に武家社会の残酷さを描きながらもその根底にある「面目は所詮は上辺を飾る物」と言うメッセージは個人ではなく組織を守る事に拘る国や企業に対する批判でもあるし理由があれば全く関係なくても相手を叩いたり命を犠牲にする無敵の人が横行した現代のSNS社会で生きる私達が目に焼きつけなければいけない映画でもある。自分達は一体なんの為に何様の立場で物を言ってるのかとかそこに筋が通った正義や思いやりが本当にあるのかとかそこまで考えてる人達ってこの世の中に何人いるんだろうか?とも自戒を込めて私は思います。主演の仲代 達矢さんの圧倒的存在感もさる事ながら私には彼が演じる男の姿が今の現代の犠牲になった人々の怨霊の姿に見えた。そんな今の時代とリンクする社会風刺もありで私の人生ではベスト10に確実に入る邦画になりました。
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