このレビューはネタバレを含みます
こんなに面白いと思わなかった。
世間ではダークサイドと見なされていることばかりが画面に映し出されるのに、軽妙で活力に溢れている。季節設定が冬なのも孤独感とその裏返しとしての人間的な体温が伝わってくる点で効果的。
ファンタジー性がないぶんテーマを自分ごととして捉えられる一方で、アニメだから重くなりすぎないし、突拍子もない展開が受け入れやすい(コメディとして描きやすい)。
アニメ映画で見たことない景色ばかりで飽きない。特に終盤の追いかけっこ。クライマックスの緊張感と、雑居ビルの階段の映えなさのギャップが新鮮。
中盤、3人それぞれが行き先を違えることで、「ホームレスの物語」から「3人の物語」へと観客の焦点が深まる。ハナちゃんまじでいい。