阿房門王仁太郎

東京ゴッドファーザーズの阿房門王仁太郎のレビュー・感想・評価

東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)
4.5
ハッキリ言えば御都合に塗れた映画である。粗筋自体のアリティは極めて稀薄と言っても差し支えない。然しその御都合と言う奇跡に対する人間の反応には御都合は無くあくまでも、時に弱気で時の強情で時にウソつきで時に暴れる、時に誰かの為に冒険を演じる等身大の人たちが描かれる。
陳腐な言葉だが「奇跡自体に価値があるのではなく、奇跡を感じる人間がいる事でそれは価値を持つ。言い換えれば、奇跡を受け動く慣れ親しんだはずの存在の方が奇跡」な事が今敏のドイツ・ルネサンスを思わせるシャープで質実な絵から感じられる。率直に言うととても暖かい気分になった。
阿房門王仁太郎

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