前半はとにかく人の顔がこれでもかと映し出される「顔」の応酬(車内の三人の顔!)。後半に入り、目の見えないキャラクターが現れることにより「顔」の意味するものが変わってくる。
冒頭、暴力の象徴としての「銃」を帯びる刑事、それが後半には娘を殺された父親へと継承され、次第にロバート・ライアンから暴力の匂いがなくなっていく。主題をしっかり画面で見せてくれて楽しい。
前半部の都会の風景にしろ、後半部の荒野のような僻地の風景にしろ、どこかえもしれぬ奥行きがあってワクワクするのは、この作品が傑作であることを物語っている。というかつまりは、この感じ好きでたまらない、ってこと。