残像さんの映画レビュー・感想・評価

残像

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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.8

ホン・サンスほどアバンギャルドではないけど、ほどよくインディペンデント(?)らしさを感じさせる風通しの良さ。

最近のアジア-アメリカ映画(クロエ・ジャオとかアリス・ウーとか?)にどことなく感じるさわ
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そして僕は途方に暮れる(2022年製作の映画)

3.9

とてもおもしろい。
お、逃げるぞ逃げるぞ、逃げた〜!!wwが楽しい前半に比べると後半はやや弱いか。

大文字の「映画」と、この「映画」への自己言及の部分が前傾化してきて、やや鬱陶しい。トヨエツがその鬱
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名探偵コナン 天国へのカウントダウン(2001年製作の映画)

2.5

コナンの劇場版は何度かチャレンジした結果、最後まで観れずに断念してたんだけど今回やっと見ることができた。

このドル箱シリーズにおいての、今作の「現代日本の文明批判」みたいなテーマが、あくまで視覚的な
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1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.1

清原目当てで観たけど思いがけず楽しく観れた。観終わってから、へーこれ山下敦弘監督なんだ〜ってなった。

「マイ・バック・ページ」あたりで、ん?ってなって「ぼくのおじさん」あたりでアレ〜?ってなって自分
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これで三度目(1952年製作の映画)

3.2

なんだろうな。サイズがユニークなのかな、人物の撮り方が。全身がちゃんと見える撮り方と編集をしてるのかな。あたまに残る映像がなんだか独特。なんとも言えないけどとても愉快。

私のように美しい娘(1972年製作の映画)

3.4

U-NEXTにトリュフォーが来てたんで見る。画質良い。

いま見ると「めまい」とか「哀れなるものたち」とかが頭に浮かぶ。そしてトクシックマスキュラリティ。

でもなによりカミーユの最初の回想で、幼きカ
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アイム・ソー・エキサイテッド!(2013年製作の映画)

3.6

公開当時は何となく見逃してしまい、以来なかなかの低い評価に見る機会を逸し続けていだけれど、いろいろ巡って今日タイミングがあって観た。

アルモドバルは大好きなんだけど正直いって当たり外れはある監督だと
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エドワールとキャロリーヌ(1951年製作の映画)

3.6

後半のパーティもおもしろいけどやはり最大の見どころは2人の部屋の空間設計と使い方。

とくに大きい鏡の使い方。鏡視点のほぼ人物真正面からのショットが興味深い。繰り返されるこのキャロリーヌのショットを見
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.2

パート1を公開時に見たときはまったくピンときてなかったんだけど、パート2を見るにあたって1を家で見直したらめっちゃおもしろいじゃん?これにピンとこないとかどうなってたんだ当時の自分って感じ。

それで
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.7

おもしろいけど少し眠い。でも寝そうになるとドーンとかバーンとかビックリさせてくれるので起きれて良い。

IMAXの画面サイズって退化でしかないんじゃないかとか思う。30年代ハリウッドの復興?ルネサンス
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

すごくうまい。複雑な「羅生門」みたいな感じ?テーマの溶け込ませ方が絶妙すぎる。再現される父親のシーンは全部おもしろい。でも全体的にチグハグな印象かな。

ほつれる(2023年製作の映画)

4.0

とても良い映画。スタンダードサイズの画面が孤独感を煽る。リアリズムの演出が映画特有の時間の邪魔になってないので観てて辛くない。門脇麦の感じ悪さがすばらしい。とても清々しい映画。

Saltburn(2023年製作の映画)

3.8

すべてが過激ながらハッキリとした白黒はない、どぎつい色のグラデーションのような展開がつづく。ある面ですばらしいと思いつつ、またある面ではあまり受け付けない部分もある。つまり雑に言うと撮影は良いけど、編>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.4

ちょっと想像してたのと違った。こっちか〜っていう感じ。面白かったけど寝ちゃった。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

2.8

やはり痩せても枯れてもヴェンダースというか、画面は見ていて楽しいし、切り取る東京の現実はそれなりに鋭いところを突いてくる。

でもなあ、この巨匠の手癖のような映画にもろて挙げて喜んでていいんだろうか?
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

2.8

ジョニー・デップは抜きにして、ティモシー・シャラメのウィリーが歳をとって捻くれちゃったのがジーン・ワイルダーのウィリーだとするとなんか納得がいった。似てなくもない。

ただ単体の映画としてそこまで悪く
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夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

3.2

やっぱりウィリー・ウォンカはジョニー・デップではなくてジーン・ワイルダーの方なんだよな、ってことで「wanka」の予習として久しぶりに再見。

やっぱり良いよね。世界中から選ばれたのにひとつも楽しくな
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ファミリー・スイッチ(2023年製作の映画)

3.4

今年もひとりでクリスマス映画を観られるだけ観る会、一本目。

上々の滑り出し。Freaky Fridayの変奏、家族版。ひとりひとりの入れ替わりをしっかりエピソード作って同じ分量くらい見せられるのがち
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クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

2.5

坂本裕二は映画尺だとあんまり良くないな〜と認識してるんだけど、今回もそれ。多分に演出の問題もあるかなあ。「ユーリ」は好きだったからなあ。

どうでもいいけどこのクルーズ船って「パパと娘のハネムーン」に
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新・男はつらいよ(1970年製作の映画)

3.0

ハワイ旅行騒動は商店街あげての盛り上がりで、ここまであんまりなかった集団芸の展開が楽しい。しかしことの顛末を見るにつけ寅さんが不憫でならない。

それに比べると後半の栗原小巻のエピソードがやっつけ感満
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87分の1の人生(2023年製作の映画)

3.5

ラストのクレジットが表しているように完全にフローレンス・ピューとモーガン・フリーマンの物語なわけだが、二人のなかなかスリリングな駆け引き、というかひとつゆるやかなサスペンスがあって物語を引き締める。>>続きを読む

パパと娘のハネムーン(2018年製作の映画)

3.1

とても良いと思います。クルーズ船の楽しそうさが伝わってくるだけでも良いじゃない。乗りたいもん。

物語と別の位相でロケーションが楽しいというのもやはり映画の魅力で、それが撮れてるかどうかってのも大事だ
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スマイル(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

良いですねーとても良いです。
構成はほぼリング。伝染していく呪いと、それによる笑い死に。怖いけどね、でも呪いのビデオの方が怖いよね、とか思いつつ。

で、なにがネタバレかって言うと、ラストにその「呪い
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.5

やっぱりルカ・グァダニーノの映画は物語とか関係なく画面を見ているだけで高揚するし、ワクワクする。

それだけに、稀に物語の方が足を引っ張ることがあるんだけど、今回はそちら側。お話をあまり知らないで観た
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眠りの地(2023年製作の映画)

4.1

めちゃめちゃおもしろい。
体感一瞬だった。
ジェイミー・フォックスがイキイキと仕事をしているのを久しぶりに見た気がする。トニトニトニ使ってるのも最高。

男はつらいよ フーテンの寅(1970年製作の映画)

3.5

三作目は森崎東が登板。やはり山田洋次演出より奥行きが感じられる。キャラクターの動きがより生き生きとして見える。

まあでもこのシリーズが良くも悪くも長寿化していくには山田洋次の演出の方が合ってたのかな
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続・男はつらいよ(1969年製作の映画)

3.0

二作目にしてシリーズのテンプレとなるようなプロットの作品。東野英治郎が先生役で出てくると、なんだか小津「秋刀魚の味」と地続きの世界があるような気がして嬉しくなる。

人懐っこいけどわがままな子どもみた
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男はつらいよ(1969年製作の映画)

3.2

Netflixであるもんだから観るものに迷ったらカジュアルに寅さんを見るようになってしまったここ最近。森繁の「社長」シリーズも取り揃えてくれたら暇つぶしは完璧なんだけどな。

このころは山田洋次の演出
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ペイルライダー(1985年製作の映画)

3.6

イコライザー観て思い出したんで観てみたんだった。やっぱりちがうな〜イーストウッドは。なんなんだろうな、この映画にある陰湿さ。そこはかとなくイヤ〜な感じ。

あんまりフォーカスしたことのない部分だったけ
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バイオレント・サタデー(1983年製作の映画)

3.1

この映画でのスローモーションの使い方は、なんだか時空の歪め方がいつも以上に激しい気がして何回見てもドキドキする。

そのほかのパートについてはほぼジョン・ハートのことしか記憶に残ってない。

ジョン・
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誰も助けてくれない(2023年製作の映画)

3.5

宇宙人のフォルム自体はいわゆるグレイであり、真新しいものではないんだけどその質感?肉感?触感?においていままでにない生々しさが表現されていて、それこそこの映画のひとつの大きな手ごたえだろう。

セリフ
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.2

ある種の「お仕事映画」であり、脳内のぞき見系映画でもある。しかしクオリティがすごい。

冒頭のダラダラ語りに困惑するのも束の間、主人公の脳内にシンクロしてしまった私たちは、そこからジェットコースター、
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

全体の戦争ドラマに関しては凡庸で半ば退屈していたけれど、音楽については既成、オリジナルのバランスよく、気持ちよく高揚して観ることができた。

特に例のメインテーマに関しては、これまでのゴジラ映画史上で
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カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)

2.5

生来の体質でアクションが眠くて眠くてどうしようもなかった。真っ暗闇の砂漠でのアクションとかめちゃくちゃエキサイティングなんだけど、暗いのも相まってめちゃくちゃ眠い!

でも冒頭の展開はほんとうにエキサ
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