私はミュージカル、ミュージック映画が好きでCHICAGOがトップオブトップと思っており今作にも期待したが期待し過ぎたようだ。
曲自身は悪くなく1.2曲ぐらいは乗れるものもあり、クリスティーナ・アギレラの歌唱力は一見の価値がる。加えてシェールの歌声は今作のハイライトシーンと言ってもいいぐらい良かった。
がしかし、演者とストーリーに奥行きを感じず、ありきたりな話のオンパレードだ。展開自体はある、あるが話に抑揚はなく、テンポが一定だ。
恋愛、仕事、店、ライバルと話を膨らませる要素は多様に存在するのにどれも中途半端で必要性を感じないものばかりだ。半分に削って膨らませた方がまだ映画的になったかもしれない。
この結果終盤はチープ過ぎる酷い出来に仕上がってしまった。広げた風呂敷をなんとか回収しようとたった10分で解決しようとしているのだ、感動出来るはずもない。
さらに欠点を上げるのであれば口パクが素人目にも分かってしまうことだ。違和感はどんどん膨らみ心が離れるキッカケになってしまう。
厳しい論調になってしまったが、それでも日本の東京バーレスクとは天と地ほどの差がある程の素晴らしいダンスと歌であったことは確かだ。
総評としては、傑作ではないが、ギリギリ映画としては仕上がっているという評価になった。