あつお

127時間のあつおのネタバレレビュー・内容・結末

127時間(2010年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

時間の扱い方を再考する映画。
人は豊富に有るものを、ぞんざいに扱う生き物なのだろう。時間、人間関係、お金。人生には大切な要素が様々あるが、何かを重視すれば、他の何かは捨てなければならない。時には目先の快楽に溺れてお金や時間をムダにするかもしれない。それでも、人間関係や思い出という点では、記憶に残る立派な投資かもしれない。
本作の主人公のアローンは自由気ままに生きる青年。危険を省みず、今この瞬間の興奮・楽しさを求めて渓谷を冒険している。友人にも家族にも行き先を伝えずに、自由気ままに生活する彼の人生は素晴らしいものだったのだろう。その事故の瞬間までは。
アローンは自分の死を意識して初めて、自分の半生を振り返る。自分の人生が限りあるものであると知り、家族や友人、恋人との人間関係を軽視ししたと悔やむ。事故の原因となった巨大岩は、彼の人生を変えるためにその瞬間を待っていたのかもしれない。アローンは事故を教訓にその後の人生を有意義に過ごすようになる。
映画を見ている私達自身は、事故に遭わずとも自分の半生を顧みることはできるはず。自分が死ぬ瞬間どうなっていたいか、どう思われたいかを意識して行動したいと思う。
あつお

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