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突然炎のごとくのsonozyのレビュー・感想・評価

突然炎のごとく(1961年製作の映画)
3.5
原題: Jules et Jim(ジュールとジム)。1962年フランソワ・トリュフォー監督作。
二人の男(ジュールとジム)と一人の女神?の愛の物語。

オーストリアの青年ジュール(オスカー・ウェルナー)はパリでフランス青年のジム(アンリ・セール)と知り合い、文学という共通の趣味から無二の親友となる。

画家や彫刻家に詳しい友人アルベールの家で見たスライドの中で、ある女神像に釘付けになる2人は、その像があるアドリア海の島に行きますます虜になる。
ある日、ジムの家に従兄の知り合いの女性3人が遊びに来るが、そのうちの1人フランスから来たカトリーヌ(ジャンヌ・モロー)が女神像にそっくりでたちまち心奪われ、ジムはカトリーヌと付き合い始める。

ヒゲを描いて男に変装したカトリーヌが、ジムと、遊びに来たジュールの3人で陸橋を駆けっこする印象的なシーン。
彼女の引越しの荷物の中に、"ウソついた男にかける"硫酸ビンがあるシーン。
3人で夜歩いていて突然カトリーヌが川に飛び込むシーン・・・
この後、2人の男が夢中になり翻弄されていくカトリーヌの自由奔放で魔性なキャラが象徴されます。

カトリーヌはジムと結婚し娘も出来るものの、一人の男を愛し続けることが出来ず・・
ジム、ジュール、アルベールらとの関係に揺れるカトリーヌと翻弄される男たち。
男たちにとっては「女神」なので、奪い合うわけでもなく不思議な関係で進行していきます。

邦題『突然炎のごとく』は、ジャンヌ・モロー演じる女神カトリーヌの奔放/魔性/狂気キャラを表現しているんだと思いますが、ストーリー的には、瞬発的に何かが起こるというよりも、カトリーヌの粘液のように掴みどころがなく可変的な愛に男たちが絡め取られれていく感じです。
※個人的にはこの映画のカトリーヌにそこまでの魅力があるとは感じられないのですが・・・笑;
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