ペジオ

ゴッド・アーミー/悪の天使のペジオのレビュー・感想・評価

3.9
クリストファー・ウォーケンの役者人生は大雑把に3つの時期に分類できる
「哀しき青年期」
「悪役期」
「コメディ覚醒期」
この映画は一部で既に「悪役期」の隠れた代表作と捉えられてるが、その他の要素も結構濃厚に見受けられる
そもそも「神の愛に餓えた天使」という役柄自体が哀しさを帯びているし、有名な「天使座り」の可愛さは被虐者としての佇まいとも無縁ではないだろう
同時に、病院に活きの良い死にかけを探しに行った理由とか、子供相手に遊んでる時の近所の危険人物感とかトボけた魅力も炸裂してる
この辺の多面性が悪役としての「色気」を増長させてるのは間違いない

クライマックスに進むにつれて「人間」「天使」「悪魔」の三つ巴の様相を呈してくるのだが、だんだん「誰が悪魔で誰が天使⁉」か解らなくなっていくのが面白い(多分テーマもここに有ると思う。)
「誰が誰を誑かすのか?」
「誰が誰を救うのか?」
三者の垣根が無くなっていく展開を考えるとモロに悪魔っぽいウォーケンや天使っぽいヴィゴのキャスティングも意図的なんだろうなー

題材とか出演者とか好きな要素に満ちた作品なので、話の構造や背景の壮大さなど似た所の多い「ターミネーター」みたいな発展を何故遂げられなかったのかと残念に思う
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