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エヴァの匂いのkojikojiのレビュー・感想・評価

エヴァの匂い(1962年製作の映画)
3.5
#1225
1962年 フランス菓🇫🇷
監督はジョセフ・ロージー
原作はジェームズ・ハドリー・チェイスの小説「暗殺者のメロディ」

ジャンヌ・モローが男を破滅させる徹底した悪女を演じる。

元坑夫の新進作家タイビアン(スタンリー・ベイカー)は美人女優との結婚を控えていたが、ベネチア社交界の悪名高い美女エヴァ(ジャンヌ・モロー)に夢中になってしまう。タイビアンはエヴァが幾人もの男たちを破滅させた魔性の女だと知りながらも、彼女の妖しい魅力に溺れていく。

悪女であるが、善良な男を破滅させるのではない。元々このタイビアンはスケベ根性丸出しの男で、可哀想とかそんな気持ちにはならない。登場する男達は全てこの部類。作者は社交界はそんなところと解釈してるのかもしれない。

最悪の悪女は真面目な男を騙す女だろう。
それと、エヴァは自分に振り向かせる媚も売ってはいない。タイビアンが「他の男に媚びを売ってる」と言うシーンがあるが、決して露骨ではない。

そのため、この映画を観ても酷い女だとは思わなかった。どちらかと言うと、「バカな男」と思うだけだ。
そう言えば、エヴァの最後のセリフは
「みじめな男」 だった。

原題は「エヴァ」だが、邦題には「匂い」をつけている。いやらしさを表現したかったのだろう。その魂胆は成功しているのではないだろうか。

2023.06.05視聴260
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