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エヴァの匂いのryoのレビュー・感想・評価

エヴァの匂い(1962年製作の映画)
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たとえば日本映画なら大島渚『悦楽』が65年。肉体の時代は70年代と教科書には書いてあるが60年代にもその感覚はある。説話とポルノの比重が両者の差だろう。いちばんグッときたショットは、水槽のアップ→スタンリー・ベイカーがガバリと起きて下からフレームイン(バストサイズ)→そのアゴをジャンヌ・モローが足でちょんちょん(フレームには膝下のみ映り込み、顔は以降一貫して映らない)→目が合って恥じらうモローが後景へ駆けてゆくのを水槽越しに捉える→ベイカーがまた横になる、の一連の動作を悠揚迫らぬ呼吸で捉えたわずかな後退撮影の長廻し。ちょっと青山真治っぽかった。撮影はジャンニ・ディ・ヴェナンツォ。『8 1/2』、『太陽はひとりぼっち』、『シシリーの黒い霧』に比べて直線的なポジションが多かった。
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