ウォシ

狼の死刑宣告のウォシのレビュー・感想・評価

狼の死刑宣告(2007年製作の映画)
4.3
ギャングの度胸試しに遊び半分で殺された息子の仇を取りに復讐したら、ギャングに逆恨みされてしまう父親のリベンジスリラー。

最愛の息子を理不尽に殺され悲しみに暮れる家族同様に、復讐されたギャング側もさも悲劇の主人公であるかのように熱い空気になっている図々しさ。

「復讐は何も生まない。」
…というより「復讐は更にたくさん大事なものを失う。」
復讐がもたらす行為の代償を容赦なく見せつけ、どんどん日常が崩壊していく恐怖を描く。
完全裏社会の人間で失うものなど無い…なジョンウィックならまだしも、失うものがあり過ぎる一般人となれば物憂げな顔で雨に打たれてる場合じゃない…!

最後の決着の付け方も「こんなモノに爽快感求めてるんじゃねぇ!」と観客に突き付けてるような気がした。

ジェームズワン監督作とあって全体的にスリラー調の怖さがあって良い。
駐車場の長回しや、ホラー映画のようなクライマックスの追い詰め方など流石の一言。

主人公は殺しに関して素人なので手つきがおぼつかないのもまたスリルがある。
銃の取り扱いが慣れてなくて手際が悪く、説明書読みながら戦闘準備する様はカッコつかないが、もう哀れな被害者でなくなり戻ってこれなくなった絶望感で溢れている。
ウォシ

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