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狼の死刑宣告の教授のレビュー・感想・評価

狼の死刑宣告(2007年製作の映画)
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ツッコミどころというか、脚本に粗が多い。
進行する現実に対して、現実的な出来事の不備が多く(警察があまりにマヌケとか、ベーコン無双問題とか…)、シリアスなストーリーに対して不満は募る。

しかし、主演なケビン・ベーコンの圧倒的な演技力と、銃器描写のリアリティ。
駐車場のシーンの長回しをはじめとして、大胆なカメラワークで、娯楽作品としてのクオリティは充分に担保されている。

作品のテーマ的な部分は、正直掘り下げが足りないし、物語的な厚みは、さりげなくでも幾分にも積み上げられたと思うのでとにかく残念。
そこは、とにかく役者が良いのでもったいない。

平穏で幸福だった家族にも、実は…という部分は少なからずあったわけだし、復讐相手の家族との相似形にプラスしてのベーコン演技の迫力には圧倒される。
コンパクトな映画作品として文句なくおススメできる。
特に後半は、「タクシー・ドライバー」からの引用だと思うが、刺激的な一本でした。
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