教授さんの映画レビュー・感想・評価

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子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎(1974年製作の映画)

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ずっと後回しにしていた若山富三郎主演の「子連れ狼」シリーズの最終作。
シリーズの大半を監督した三隅研次が「こんなのやらないよ」と難色を示して降板し、その分、若山富三郎の意見が大きく反映された(若山が三
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

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近年になって、とても名前を聞く機会が増えたケリー・ライカート監督の一作目。
名前は聞きつつ、鑑賞を後回しにし続けてようやく鑑賞。
事前情報は皆無。

製作年(1994年)を考えると、確かに評価に対して
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

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世評の高さに対しての偏見でずっと観ることを避けていた映画のひとつ。
しかし映画に関して「書く」ことを見直すことにして、鑑賞のタイミングが訪れた。
そして結果的に、大満足だった。

高校の映画部が舞台。
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名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN(2024年製作の映画)

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予告編の時点でテンションが上がりまくって期待していたにも関わらず公開最終週に駆け込む始末、という状態で鑑賞。

タイトルにある「Complete Unknown」として解体されていくポップスター論とい
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聖の青春(2016年製作の映画)

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僕は相手の心理を分析することは好きだ。しかし相手を分析しながら「勝敗を決めること」にはあまり関心がなく、苦手であることもあって、頭脳を使う対戦ゲームがとても苦手だ。
そのため本作の「将棋」についても作
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

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唯一観てなかったポール・トーマス・アンダーソン監督作品。

これまでも「パンチドランク・ラブ」や「ザ・マスター」の主人公。あるいは「ブギーナイツ」や「マグノリア」などの群像劇でも「ハラスメント気質」な
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エルム街の悪夢(1984年製作の映画)

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構想とアイデアが決定的な勝利を得ている映画。
「悪夢」に着眼し、夢の中で襲われ、殺される恐怖がそのまま現実に直結する発想が秀逸。
その理由として「夢の中」という世界は、何が起きても不思議ではない為、超
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仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦(2012年製作の映画)

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今までは、こういったテレビシリーズ作品の劇場版も、一応「映画」として取り扱ってきたけれど…ちょっと疑問が湧いてもいる。

「仮面ライダーシリーズ」も平成〜令和を経て、第一期の「昭和ライダー」以上に歴史
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姉妹坂(1985年製作の映画)

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大山和栄のコミック原作ではあるが、他の大林宣彦作品のように、ファーストショットから既に「大林映画」になっている。

唐突とも思える諒(尾美としのり)と冬悟(宮川一朗太)から求愛を受ける四姉妹の三女・杏
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新選組(1969年製作の映画)

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何の気なしに観ていると、三谷幸喜脚本の大河ドラマ「新選組!」の元ネタであることに気付く。
というか、ベースにある人物像や大まかな展開はかなり酷似しているところが多いし、そのままオマージュ(パクり?)さ
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ドアーズ(1991年製作の映画)

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ある時期までは、いわゆる「生涯ベスト」の一本だった作品。
それぐらいにある時期までは僕は原理主義的な「ロック少年」だったし、ロックは卒業するものではない!と息巻いていたが、結局は歳月の流れ、時代が大き
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人間の証明(1977年製作の映画)

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「角川映画」の2作目。前作の「犬神家の一族」と同様、プロデューサー角川春樹の旧来の「家父長制」の父親像と、母親による愛着の狂気への愛憎が忍ばされていて興味深い。

つまり「見どころ」としては恭平(岩城
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ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)

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現代観るべき映画、と痛感して非常に暗澹たる気持ちになる。

1960年代「公民権運動」前夜のアメリカ。
「野蛮」なアメリカの「人種差別」という負の歴史を嫌と言うほど直視させてくる。

まず秀逸なのはフ
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犬神家の一族(1976年製作の映画)

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世に言う「角川映画」の第一作目。
映画を観て楽しむことを知った子供の頃に、大人の世界を覗き込むような感じで影響を受けた作品でもある。

今改めて観ると過大評価をしていたようにも思うが、ちゃんと毎回面白
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お吟さま(1962年製作の映画)

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田中絹代監督の作品を流れでまた観てしまった。
天才女優としての彼女のファンでもあるわけだが、監督作品はイマイチというのが僕は気に入っている。
とはいえ、最後の監督作品。

先日観た「流転の王妃」と同じ
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聖なるイチジクの種(2024年製作の映画)

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昨夜観たのだが、感想がまとまらずこうして書き始めるまでにテレビで「日本アカデミー賞」の授賞式を観た。
実に「せんない」ことではあるのだが、映画というものへの根本的な考え方、文化的意味合いはまるで違うの
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流転の王妃(1960年製作の映画)

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女優としての田中絹代はとても好きなのだが、監督としてとなると、特に本作は「?」となる。

物語は貴族階級のお嬢様であるところの竜子(京マチ子)が、満州国皇帝の実弟である溥哲(船越英二)との「政略結婚」
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ブリジット・ジョーンズの日記(2001年製作の映画)

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普遍的な部分と、当時と現代との価値観の違いが大きく変わってしまったことを痛感させられるような部分とがごちゃ混ぜになっていることで変なリアリティを感じてしまう。

今では「セクハラ」で「パワハラ」と雑に
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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

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やっぱり僕は「現代」の中でのアニメーションの文化には取り残されてもいるし、映像作品としての「アニメーション」という表現に関しては関心も薄い。
そのことが尾を引いてというのもあるが、冒頭から「合わない」
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機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988年製作の映画)

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「ガンダム」はシリーズを拡大せずに、ここで終わればまだ良かったのに、と思う。
アムロ・レイ(声:古谷徹)とシャア・アズナブル(声:池田秀一)の最終決戦。

当時としては、非常に「エポック」な作品だと思
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キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(2024年製作の映画)

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監督が「ルース・エドガー」のジュリアス・オナーなので期待もありつつ、世評の賛否を観ていると一気に「つまらなそう」が去来して心が忙しい。

この数年「MCU」に関しては貶されると擁護したくなるし、盲信的
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機動戦士Zガンダム III -星の鼓動は愛-(2006年製作の映画)

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「劇場版三部作」の完結。

序盤は第三勢力であるアクシズの登場と、衰退するティターンズ内の権力闘争としてパプテマス・シロッコ(声:島田敏)が目立ってくる。
一応、そこに尺は割かれているが紳士的な「トキ
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機動戦士Zガンダム II -恋人たち-(2005年製作の映画)

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前作に引き続き、悪しきTVシリーズの「ダイジェスト」感は更に加速。
エピソードの流れや、構成もかなり歪でアムロ(声:古谷徹)、カイ(声:古川登志夫)、ハヤト(声:檜山修之)などの前作主要メンバーの再会
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機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-(2005年製作の映画)

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「劇場版」という形でTVシリーズを再編集した、ということ以外のものが見当たらなかったのが残念。

元来のTVシリーズの基本的な展開は前作を焼き直している部分も多いといえば多い。にも関わらず描こうとして
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ザ・ルーム・ネクスト・ドア(2024年製作の映画)

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アルモドバル監督の作品は毎回好きだ、と思いつつ前作の「パラレル・マザーズ」はほとんど内容を覚えていなかったりもして、なんとなく消費している感じもある。

本作も、まぁ、面白いと思いながらは観ていた。
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おんどりの鳴く前に(2022年製作の映画)

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冒頭の地味な展開から、ラストの不思議なカタルシスに驚きの展開を遂げる緩急が素晴らしかった。

近年ちょっと流行っている「田舎ホラー」的な地方都市の闇。
しかし、そのモンスターたる存在は実に卑近でリアル
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カサブランカ(1942年製作の映画)

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「議論の余地のない傑作であり、おそらくハリウッドの愛とロマンスを象徴する作品である『カサブランカ』は、年を重ねるごとに良さを増すばかりであり、ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンがキャリアを>>続きを読む

エデンの東(1954年製作の映画)

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「アメリカ」が「アメリカ」であることを暴走しながら主張を繰り広げている現在。
特にドナルド・トランプと、イーロン・マスクに代表され集約される形になるが「Make America Great Again
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機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編(1982年製作の映画)

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劇場版3部作の完結編。
なので、テレビシリーズの終盤辺り。

「戦争」と「ニュータイプ思想」のせめぎ合い。アムロ(声:古谷徹)とシャア(声:池田秀一)とララァ・スン (声:潘恵子)の三角関係が主だった
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斬る(1968年製作の映画)

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相変わらず現代でも面白い岡本喜八作品。
本作でも「アメリカ映画」礼賛の西部劇を思わせるようなルックや作劇で、映画らしいショット、それに連なる編集で画面を追うだけで楽しい。

その楽しさは、最も豊かだっ
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映画を愛する君へ(2024年製作の映画)

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「映画」に心惹かれる人にとって、素晴らしい提起がされる部分がたくさんあったという感慨と、割と他人事というかアルノー・デプレシャン監督の超個人的なエッセイというような風合いも強く割と無関心になってしまう>>続きを読む

機動戦士ガンダム II 哀・戦士編(1981年製作の映画)

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観ている時は面白かったし、今更ながら何を評価すれば良いのか、というのがつきまとう作品であることをすっかり忘れていたのは迂闊だったとも思う。

「ガンダム」があまりにも市民権を得てしまったこと。未曾有の
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Broken Rage(2024年製作の映画)

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Amazonプライムでの配信作品。
で、北野武監督の新作。

前作の「首」公開時にカンヌ映画祭で本作の構想を語っていた時点で「つまらなそう」と北野監督のファンながら思っていたのだが、ほぼ想定通りにつま
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二・二六事件 脱出(1962年製作の映画)

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高倉健主演の「2.26事件」繋がりで、成り行きで期待感もなく、の鑑賞。

先日観た「動乱」と比べるとかなり面白い。
史実における岡田啓介、作中では岡部(柳永二郎)を青年将校が占拠する総理官邸から救出す
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動乱(1980年製作の映画)

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昭和が舞台で、製作年も昭和なので、異論の挟む余地のない「昭和の価値観」の映画。

「2.26」事件を扱った映画ながら、そして主演の高倉健、吉永小百合や、脇を固める俳優陣もオールスターキャストの大作なが
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ゴダールの探偵(1985年製作の映画)

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「敵」を経てのある意味で「フランス文学」の最高峰のひとつ、でもあるジャン・リュック=ゴダールの80年代。
もはや、劇映画としての「分かりやすさ」は皆無で何がなんだかわからない映画。

「自分が、探偵、
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