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コンタクトのipekoのネタバレレビュー・内容・結末

コンタクト(1997年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ジャケ写がダサく、長尺であるため躊躇していたが、(大枠としての)SF作品の中ではかなり自分好みだった。
SFというより、宗教との対立を絡めた科学的作品であると表すのが適切。
核となるメッセージは、信じるとは何か、具体的には「証拠がなくても信じられるか」「行先を阻まれても信じ続けられるか」というところにある。
前者について、主人公は18時間の宇宙旅行(ただし18時間分記録されたレコーダー以外に物的証拠なし)を体験することによって、実証主義では説明できないものがあることを知る。
ここで気を付けたいのは、じゃあ科学者でありながら神も信じなさいね、とはならないということ。
個人的に神(信仰)は、現代の「推し」に非常に近いと思っているが、両者を信仰する者の違いは「他人に自らの神を押し付けるか否か」という点。つまり「神は絶対にいる(orいない)」と主張するのと「私は神を信じる(or信じない)けど、反対の立場の人もいるよね」と認めるのは異なる。まぁそれを皆が理解していたら歴史上の対立はぐっと減っただろうけど…
作品に話を戻すと、本作の長所の1つは人間関係の歯痒さをしっかり描けているところ。実際納得いかないことが沢山あるけれど、自分の信念や夢はやけになって捨ててしまわないように、というメッセージも読み取れる。
蛇足だが、『プリズン ブレイク』での推し、マホーン役のウィリアム・フィクナーが出演していて嬉しかった。あの元気がなさそうな感じが好きです。
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