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越前竹人形のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

越前竹人形(1963年製作の映画)
3.7
水上勉の同名小説が原作。純情過ぎる竹職人喜助と遊女玉枝の悲恋。しっとりとした小説を読みたいと思っていたのに、先に映画を観てしまった。

悲話なのに、さばさばした印象は、玉枝演じる若尾文子さんのさばけた演技のためだろう。

あややファンが多いところ恐縮だけど、男を手玉にとるクールなイメージが強くて、どんな役柄も同じにみえてしまう。本作は悲壮感や線の細さ、儚さを表すところ、冷めた演技で情緒を感じられなかった。

達観していて、そつのないところが若尾文子さんの魅力なのだろう。運命に振り回される悲運の女性を演じるには、したたかにみえてしまう。

ストーリーはよかったし、なにより撮影が美しい。竹やぶを疾走するシーン、雪降る中の後ろ姿、美しい玉枝、印象に残るシーンがいくつもあった。

小説がきっかけで、舞台となった町で、竹人形が名産として作られるようになったとは。
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