まいしほ

アラバマ物語のまいしほのネタバレレビュー・内容・結末

アラバマ物語(1962年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

これは名作。オープニングからこれは絶対いい映画だろうなとわかる。
シンプルに人種差別に関するドラマなのかなと思ってたけど、それだけじゃない。弁護士の娘が昔を思い返すような感じで話が進んでいくところがいい。子供の純粋な視点、成長、ノスタルジックな雰囲気…
演技も素晴らしい。特に、グレゴリー・ペックと子供たち。父親としてのグレゴリー・ペックも弁護士としてのグレゴリー・ペックもかっこよすぎた。このキャラが人気なのも納得。裁判シーンで父の姿を見るお兄ちゃんの表情も印象的だった。私は陪審員に対して必死に訴えかける姿がとてもかっこいいと思ったけど、あの年齢だとまだそうは思えず、憎まれ役をやらなければならない父を見て、惨めというか可哀想というかショックというか、なんとも言えない気持ちになったのかな。父親が顔に唾をかけられるとこも見たし。殴り返したりせず、静かにハンカチで顔を拭いたのも良かったなあ。子供に暴力はダメと言うだけしゃなくて、自分でもその通りに行動してるのがかっこいい。
私は昔のアメリカの文化が好きだけど、こういう作品を見ると輝かしい面だけじゃないリアルな部分を改めて思い出させられる。特に異人種間の恋愛についての意識の方はだいぶ変化したとはいえ、これは昔の話ではなく、数年前にBlack Lives Matterが話題になったようにこの作品で描かれているような問題が今だにあるのがゆるせない。
ブーの存在も面白かったな。本当にラストまで見逃せない。
原作小説も読んでみたい。
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