ジェイティー

太陽はひとりぼっちのジェイティーのレビュー・感想・評価

太陽はひとりぼっち(1962年製作の映画)
3.6
婚約解消し、倦怠感の抜けない女性ヴィットリア、
新たな出会いを求めるも何も変わらない日々を過ごす話。

映像作品、漫画、小説で最も気持ちの良い技法のひとつに「伏線」があります。この技法は本編で提示された情報が物語の終わりまでに回収されることがある種美徳となっていることが多々あります。
ですが文芸作品の中にはその伏線を回収せずに終わるものもあったりして、本作もその中に入るのではないでしょうか。

もちろんすべての作品で実行するべきかは疑問ではあります、
けれど実人生で伏線が回収されることは案外奇跡に近い場合もあるため、
この回収されない伏線こそが作り手の伝えたい事だったりするのではないかと思います。
※純粋に娯楽を楽しみたい人からするとふざけんなと思うのも無理はないですが・・・

本作を学生時代に観た際は映画の観方に新たな視点を授けてくれたこともあり、今でも印象深い一本となっています。