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世代のooospemのレビュー・感想・評価

世代(1954年製作の映画)
3.6
アンジェイ・ワイダ《抵抗三部作》の序開きとなる作品。《灰とダイヤモンド》と比べてあらましが理解しやすかったです。若きロマン・ポランスキも出演しています。
若い世代を中心に役者陣が構成されているので、本格的な反ナチス運動への展開を予感させるパワーにフレッシュなものがあった。その若者コミュニティで紅一点である娘、ドロータの魅力たるや!圧倒的カリスマ性を発揮しつつ、存在してさえいてくれれば他に何もいらない、と言わせんばかりに聖母マリアのような柔らかい魅力をはなつ。その輝きがドイツ軍の弾圧や生活の貧しさを一瞬にして忘れさせ、みずみずしい青春のドラマを見せてくれる…。そしてそんな甘い瞬間あってこそ、一層苦味が沁みてしまうという現実。
踏まれてもヘタレない若さと力強さに、希望を感じずにはいられない。国を愛し、団結し、歴史を動かしていく、世代。ポーランドへの愛国心がひしひし伝わってくる映画だった。

最近鑑賞する映画でこのクソドイツ軍が!という台詞を多く聞くような。暗黒史を避けて映画を語るまじ…なのね。
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