ひょうちゃん

運命を分けたザイル2のひょうちゃんのレビュー・感想・評価

運命を分けたザイル2(2007年製作の映画)
3.5
アイガー北壁初登頂に挑戦し壮絶な死を遂げたトニー・クルツら4名の足跡を、運命を分けたザイルのジョー・シンプソンが現場を辿りながら紹介する伝記的映画。

トニー・クルツをめぐる物語としては2008年のドイツ映画「アイガー北壁」がありますが、そちらは史実を基にしたフィクションの娯楽映画、それはそれで面白くオススメなのですがこちらはノンフィクション性が強いです。

登山に関しては、世界で最も危険なスポーツと称する人も居ますが、そもそもザイルやピッケルやアイゼンを使う時点で日本で俗に言うスポーツ視される一般的な夏山登山とは一線を引き、スポーツではなく冒険です。当然死をも覚悟した挑戦なのです。
そんな冒険者達の残した偉大な記録を見させていただく、そんな気持ちで見ると楽しめるでしょう。

この事件から80年が経ち、技術的にも道具などの面でも現在では格段に進歩していて、アイガー北壁の最短登頂時間記録は2時間半を切っていますが、そこまでの記録の礎ともなる大記録、登山に興味は薄くても大自然に挑戦する男達の物語として楽しめるでしょう。
事実は小説より奇なり、です。