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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君にのNozomiのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

新世紀エヴァンゲリオンの映画版で、いわゆる「旧劇場版」と呼ばれている作品。ただ、ややこしい事に「旧劇場版」には、

①新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生
②新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に
③新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に

の3本が存在しており、本作(③)は①と②を一本化した作品になっている。

①パートは、TV版の再編集バージョンではある物の、必ずしも時系列順ではなく、人物を切り口にしていたりするのでTV版を網羅してても油断できない作りだった。

②パートは、TV版の25話と26話の再解釈版みたいな位置付け。もともとTV版の25話と26話は、あまりに突飛な展開過ぎて物議を醸した背景があり、それらを「Air」と「まごころを、君」 としてリメイクした物。

25話に当たる「Air」は、全ての使徒殲滅を達成したNERVに対して、SEELEが奇襲を仕掛け、サードインパクトの誘発を狙うストーリーで、巨大ロボットの戦いでは無く、ヒトvsヒトの白兵戦がメインとなっており、それまでのエヴァとは違った趣だった。ミサトが精神的に不安定なシンジをエヴァ初号機に送り出すシーンは、全編を通したベストシーンかも。ちなみにアスカがエヴァシリーズに捕食されるシーンなどは案外グロかった…。

そして大問題は26話に当たる「まごころを、君」の方で、サードインパクトや人類補完計画が発動するまでのプロセスが複雑すぎて、何が何だか…という印象だった。

物凄くスピリチュアルな世界観で、悪い夢を見てる様なサイケデリックな映像を連発したり、急に実写映像が始まったり、良く分からないまま浜辺に打ち上げあられたシンジに首を締められたアスカの「気持ち悪い」で「終劇」したり、一体、何を見せられているんだろう…と思ってしまった。

先日見た、シン・エヴァンゲリオンの最終盤パートもまさにこのノリで、庵野監督のやりたかった事は、この時からあまり変わってなかったのかなと感じたけど、シン・エヴァがハッピーエンドだったのに対して、この旧劇場版は、かなりのバッドエンドで疲労感が半端無かった。
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