半兵衛

豪傑児雷也の半兵衛のレビュー・感想・評価

豪傑児雷也(1921年製作の映画)
3.0
YouTubeで国立映画アーカイブの公式サイトが本作の動画を配信していたので鑑賞、しかも他のサイトであがっている映像よりも長めの時間のバージョンなのでお得感が凄い。

現代人には今一つぴんとこないジライヤ(そのくせ特撮やアニメではよく取り上げられるキャラクターだったりする)ものだが、ストーリーは「良い忍者が悪い人を得意の術で成敗する」という単純なものなので事前に作品の情報を仕入れずただ流れに任せて見ているだけでもそれなりに楽しかったりする。

人が消えたりガマになったりする素朴な特撮がクラシックなサイレント映画らしい雰囲気を醸し出している、カメラも据え置きで舞台の演技をそのまま撮影しているような作りではあるが時折重要な人物にアップとはいかなくても映像が寄りになっていく瞬間があり僅かな映画の進歩を感じさせた。

国立映画アーカイブのバージョンには音(弁士やサイレント映画風の音楽)が無いので単調になりやすいのが難だが、自分であらかじめそれっぽいスコアを用意して流しながら鑑賞するのも乙かと。ちなみに私のおすすめは『必殺剣劇人』のチャンバラ音楽で、この作品はサイレント映画のパロディ的な内容に仕上がっていて音楽もそれっぽく作られており親和性が高かったりする。
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