菩薩

男はつらいよ 翔んでる寅次郎の菩薩のレビュー・感想・評価

3.9
シリーズ23作目、マドンナ:桃井かおり

桃井かおりが可愛い、いや桃井かおりがクソ可愛い、いやいや桃井かおりがクソ可愛いすぎる、流石田園地帯、じゃなくて田園調布出身のお嬢様とだけあってロメール作品のような出で立ちでSK2もびっくりな本作、大企業の御曹司との半ば政略結婚めいた型にはめられた「幸せ」に一度は反旗を翻し、己の本当の、女としての本当の幸せは何か?と問い詰めていくお話。今回は寅さんも意図せずとはいえキューピット役、何たって一度は反故になった結婚式の仲人までつとめるのだから。思い返せばシリーズ一作目もさくらと博の結婚式、そして下ネタと笑いと感動から始まっているのであり、その辺りは若干のセルフリメイクじみた趣すら感じさせる(おばちゃんの似非ザマスキャラも15作目風味)。新郎役の布施明がどうしても若かりし頃の志村けんにしか見えないが、披露宴から逃げ出した桃井かおりを責めるでも無く、愛する者のために自らも親の庇護の元を離れ、ただ一途に想いを寄せ続け、そして最後は歌に乗せて溢れ出る感情を伝える、薔薇より美しいのはそのひたむきな姿勢であると讃えたくなる。にして桃井かおりを犯そうとしてチャックにチンコ挟んだ挙句、寅さんにゆすりにゆすられる湯原昌幸のキャラと言ったらもう…ざまぁみろ。そもそもこのチャックにチンコを挟むとの行為、男子は誰しも一度や二度は経験があるだろうが、これが発生する仕組みが自分でも未だによく分かっていない、本来普通にパンツの中にチンコをしまい込んでいれば挟むはずもないのだが…永遠の謎である(関係ない)。結婚式での寅さんの咄嗟の機転、そしてオチ、それを優しくいなすさくらの母性、名シーンである。
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