まいこ

ユナイテッド93のまいこのレビュー・感想・評価

ユナイテッド93(2006年製作の映画)
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アメリカ史上最悪のテロ攻撃事件として記憶された2001年9月11日の出来事を、当事者の視点から再現した衝撃的作。『ボーン・スプレマシー』のポール・グリーングラスが脚本と監督を手がけ、4番目のハイジャック犠牲となった、ユナイテッド航空93便の乗員と乗客らが経験した未曾有の恐怖心をリアリスティックに描く。
離陸からハイジャック、そして運命の瞬間までを時間軸にそって再構築し、悲劇の結末を臨場感たっぷりに伝える。

2001年9月11日。大勢の乗員・乗客を乗せたユナイテッド航空93便は、離陸後にテロリストによってハイジャックされていることが判明する。
やがて、その情報は搭乗者のみならず、地上にいる彼らの家族や管制塔にも伝わった。耳を疑う情報が流れ、想像を絶する恐怖に襲われながらも、機内の人々は一丸となってある決断を下す。

恥ずかしながらこの作品を鑑賞するまで、9.11=ワールド・トレード・センターを崩壊させた二機の存在しか知らなかった。ペンタゴンへの激突となった77便と本作品の93便を含めて同時多発テロ事件。当時の記憶は夜、ニュース番組の映像をみた、くらいしか覚えてないけど(当時3歳)、散々アンビリーバボーを始めとした再現番組でやってただろうに…。そしてここからイラク戦争が始まってしまったのですね。

ろくに前情報を頭に入れなかったせいで〇〇航空××便の単語が飛び交い、画面上に映し出される現場風景も交錯し見事に状況判断に置いてけぼりを食らったが、全編緊迫していたのは理解した。ハイジャックされている中、電話は使えたんかい、とは思ったが(ほかの機よりハイジャック犯が1人少なかったそうな)描写されるほぼ全てのエピソードがその電話を初めとした実話(※といっても機内から生還した方はいらっしゃらないが)がベースになってるというのだから驚き。

変にハリウッド調で脚色するのではなく、現実を描き、事実を知ることができる作品であり、鑑賞してよかったと心から思えた。パンフレットには乗客ひとりひとりの詳細が記載されているそうで、追悼の意が含まれているのが強く伝わる。
唯一の日本人で大学の先輩もいらっしゃったことは忘れない。
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